音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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いまいちばん面白い、上原ひろみ

ビヨンド・スタンダード(初回限定盤)(DVD付)
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上原ひろみ~HIROMI’S SONICBLOOM


最近までアメリカで売れている日本人ピアニストというと松居慶子さんだったのでしょうが、上原ひろみちゃんが猛烈に追い上げているのをひしひしと感じます。

日本では武道館公演もあったそうで。

女性ジャズピアニストは数多くいたけれど、上原ひろみちゃんほどのスーパースターはかつていなかったんじゃないでしょうか。大西順子さんもスターだったけど、最近は活動されてないし。

最近、「ジャズって何から聴けばいいんでしょうね」とよく質問され、それに対して私は「上原ひろみちゃんを聴いてみたら」といっているぐらい。

私が彼女が猛烈に気になり始めたのは2年ぐらい前からです。
ひろみちゃんは、ピアノトリオにエレキギターのフュージンスキーを入れた4人編成のバンド、ソニックブルームをはじめてから。

私はやっぱり根がジャズじゃなくてフュージョンなので、ギター入りだとピアノトリオよりも、断然!! 好きなサウンドです。

いま一番聴いていてわくわくするのが、ソニックブルームだったりしますね。

このスタンダード集、うーむジャズピアニストのスタンダード集というイメージからはかけ離れたエキサイティングな内容でした。印象深かったのがドビュッシーの「月の光」、それからhiromiオリジナルの代表作「XYZ」をギター入りのセルフカバーしたもの。

ピアノが持つきらめき、輝き、スピード感やエネルギーみたいなものが彼女のピアノから、そしてバンド全体から強く放出されていて、「こういうのが聴きたかったんだよなあ」というカタルシスを得られます。

人によって好みはあるんでしょうが、フュージョン・ファンに受けるのは、ピアノトリオよりも、ソニックブルームかなーという気がします。

今月下旬には、サンフランシスコのYoshi'sに来て演奏してくれる上原バンド。私が行けるかどうかはまだ未定ですけど、とにかく、最新作「ビヨンド・スタンダード」、いま一番ひきこまれるCDなのです。