音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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ジャズタイムズの上原ひろみ、メセニーの記事

最近うっかり購読をさぼっていたジャズタイムズ、ひさびさにウェブサイトを訪れたら、私の大好きな上原ひろみちゃんとメセニーが最近それぞれ表紙になっていたのでうれしくなりました。

hiromiとかmethenyと入れて検索したら、ちゃんとインタビュー記事が出てきてうれしかった! でも知ってることばかりであまり新しい情報はなかったですけど。

メセニーがオーケストリオンの作業をしていた去年に、3人目のお子さん、マヤちゃんが生まれたという話ぐらいかな?

ひろみちゃんの記事で「へぇ〜」と思ったのは、スタンリークラークが彼女と一緒にツアーしていると「あれは誰だ? どこで見つけてきたんだ?」と必ずきかれる、というような話を披露していたところぐらいですね。

先週サンフランシスコのYoshi'sに来てくれていたひろみちゃん。ライブ行きたかったんですけど、金曜日で公演が終わっちゃって、駆けつけるのは無理でした。でも「ひろみ中毒追っかけ軍団」がいて、同じ面子を20回は見ているよ、と、ギターのデビッド・フュージンスキーが記事のなかでコメントしていました。うーん、ひろみちゃんの場合は、国内の追っかけよりも、旅費がかかりそう(笑)。

ライブにいけなかったからせめてCDでも、と「プレイス・トゥ・ビー」を聴き直しています。彼女の記事には、テクニックがすさまじいとまず技術面に触れています。うーん、確かにテクニックはすごいですね。

しかし、こういうピアノソロだと、生き生きとしたリズムや、タッチの歯切れよさなどがひきたつと同時に、どうもクラシック的な聞き方をしてしまい「あれ、もうちょっと粒をそろえることも可能では」とか「声部ごとの弾きわけをもっと鮮やかにしたら、さらにエキサイティングになるんじゃないか」とか、気になる部分もなくはないですね。

ひとりでメロディに伴奏とバンド4人分ぐらいのパートをこなしているわけなので、横に流れていく構造の曲ではドビュッシーとどうしても比較したくなるし、縦横無尽に鍵盤を突っ走る曲では、ラヴェルの「スカルボ」の動きが頭にちらついてくる。自分の耳が無意識にそういう曲を思い出して、「あれ? もうちょっとここは」と勝手に要求しているのだから変な気がします。自分では絶対にできないのに身勝手ですけど。それぐらい、クラシックのピアニスティックな手法も見事に取り入れたアレンジなんですね。

そして聴くたびに「たいしたものだなあ」とうなってしまうのは、メロディがキャッチーであること。彼女の曲は。すぐに覚えて歌えちゃう。しょっぱなから高速で弾きまくっている「BQE」でさえも、オクターブでががーんと歌えるメロディが鼻歌になってしまう。超絶技巧と、ピアノらしいテクニックを存分に生かした魅力的なアレンジ、耳に残るメロディー、さらに加えていろんな場面で見せる遊び心。

そうそう、ジャズタイムズの記事のなかで、演奏中にケータイが鳴ったら即座にそれをアドリブに取り入れた話も載っていました。うーん、コピーしてみたくなります、彼女のこのソロピアノに入っている曲。

ということでリンクでご紹介まで。

メセニーの「オーケストリオン」について
http://jazztimes.com/articles/25846-pat-metheny-welcome-to-the-machine

上原ひろみ

http://jazztimes.com/articles/25440-the-education-of-hiromi