ベースでメロディを弾くスタイルが人気のあったベーシスト、ウェイマン・ティスデイルが先月亡くなりました。骨肉腫で闘病していて、化学療法が効かず足を切断、切ないほど明るい笑顔でカムバックを報告してくれていたのに、ショック…。
私の町では、彼はNBAのサクラメント・キングスで活躍したバスケットの選手として、誰もが知る存在でした。ウェイマンが亡くなったでしょ、と話すと、みんなアメリカ人が知っているので驚き。私にとってはミュージシャンのウェイマンなのだけれど、多くの人にとっては彼はバスケの選手だったんですね。
彼のアルバムを聴きなおしているのですけれど、うーむ、手元にある中では遺作になったリバウンドが一番いいですね。哀愁があってクールでちょっと踊れてメロディアスで、日本のフュージョンに通じる魅力がたまりません。
サックスのダレン・ラーンが演奏、作曲ともに参加している2曲、
thrown' it down、
そして
one on one
この2曲、ほとんど毎日ラジオでかかっています。ほんとにカッコよくて口ずさめるご機嫌なナンバーで、みんなが好きなのもうなずけます。かえすがえすも残念…。
I miss his big smile,とDJの人が語りをいれていました。ほんとに、いつもお茶目でニコニコしていて、音楽的にはエレガントな面もけっこうあったのだけれど、気取っているように見せたくなかったのか、わあ、楽しい! と引き込まれてはっと気づくとうわぁ何かおっしゃれー!!!なサウンド…といった、しっかりとした自分の世界がありつつも、サービス精神に富んでいてこれみよがしでない、おくゆかしさが彼の素敵なところでもありました。
2006年にサクラメントで一度だけでも彼のステージが見られた幸運に感謝しなければと思います。人生は一期一会だなと身をもって痛感することが増えてきたような…、今後もっとそうなるのかもしれませんね。大事な出会いは絶対に逃さないようにしなければ!
Rebound
Wayman Tisdale