音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

セミナースケジュールはこちらです。 山本美芽オフィシャルサイト

ジョージ・デューク@オークランドYoshi's

Dukey Treats
Dukey Treats
George Duke

いちどは生で聴いてみたいと思っていたジョージ・デューク。なんとオークランドのヨシズにやってくるというので、日帰り遠征でいってきました! この日の客層は、うーん黒人ファミリー多し。ファンキー度の高いアーティストってとたんに黒人の比率が高くなりますね。

登場したジョージ・デュークを見て、一緒に行った友人が「パパイヤ鈴木みたい…」。フュージョンの歴史を支えてきた大御所に、そ、そんな形容がゆるされるのかとは思いつつ、一般の日本人にはその説明が、いちばんわかりやすいかも。よれよれのTシャツにアフロヘア、たぶんパパイヤ鈴木よりも体格はさらに良く、そんなジョージは上機嫌でニコニコしながらステージに出てきて、ステージ真ん中にセッティングされたグランドピアノとキーボードに囲まれた椅子に座りました。

“Thank you for coming… ”にはじまり、楽しげな雰囲気でいきなりMC! みんなのってるかーい? みたいな内容から、ウォーオー、オオ、という短いコーラスをお客さんたちに歌わせます。ステージと客席で何度かフレーズを反復したあと、そのフレーズを使っている曲の演奏が始まりました。この垣根のなさ、フレンドリーな雰囲気。いいですね。

鍵盤奏者としてのジョージってどういうライブをするのかなと思っていましたが、ヴォーカリストを入れているし、自分自身も歌うので、ピアノでメロディを弾くのがメインっていうわけじゃないんですね。

 キーボードと生ピアノでは、圧倒的にキーボードを中心に使っていました。個人的にはエレピが最高に良かった! メロディを弾けばしみじみとしたノスタルジーが漂うこともあれば、超アーバンでお洒落…なんだけど温かみがあったりと、とにかく素晴らしいのひとこと。歌やベースソロのバッキングになればなったで、これがまた、刻むリズムが気持ち良いのなんの。


 途中、MCで『昔、マイルスとサンタナが同じ日にステージで別々の音楽をやっていて、ジャズとラテンは別々の音楽だったが、それを混ぜてみたのがフュージョンで…』というような話をしてくれたあと、レゲエ、超ストレートアヘッドなジャズの4ビート、ラグタイム、16ビートのフュージョン…といろんなスタイルでちょっとずつ演奏してくれました。

 4ビートのときだけは右手が高速でバリバリアドリブを弾いていたので、目が笑ってなくてマジでしたね。ラグタイムもズンチャ、ズンチャという左手が爽快。こういうのも好きなんだよね〜いいよね〜とでもいいたげな演奏です。

 すごく楽しさ満載なんだけど、マニアックな耳も存分に満足させてくれて、しかも昔の曲をいつまでもやっているというふうでもなく今っぽい、大満足のステージでした。

 たぶん今回のライブ、最新アルバムの曲は、あまりやっていないような気がします。でもこのアルバムは、タワー・オブ・パワーを思わせるファンキーなホーンセクションが導入されていて、70年代をほうふつさせるサウンド。これはこれでなかなかです。