音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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ジェラルド・アルブライト&カーク・ウェイラム@サクラメント

The Very Best of Gerald Albright
The Very Best of Gerald Albright
Gerald Albright

FM局が主催するスムースジャズのイベントに先週行ってまいりました。
今回来たのは、アルトサックスのジェラルド・アルブライト(←オルブライトが正しいというご指摘があり、確かにそう聞こえますが、慣例に従って書きます)、テナーサックスのカークウェイラム、ギターのジェフ・グローブ、同じくギターのティム・ボウマン。オールスター形式のコンサートでした。

去年もカーク・ウェイラムはこのイベントに来てくれて、彼が出てくるとお客さんも総立ちで歓迎していました。でも今年はそのカークよりもジェラルドのほうが大きな歓声を浴びていて、ジェラルドのほうが大物という扱いになっていたので、なるほどそうなのか・・・といったところ。

演奏を聴いてみると確かにジェラルドのアルトは強烈にうまいです。音のひとつひとつがつやつや光ってます。私が知っている日本人サックスプレイヤーでいえば、そう、本田雅人さんの音を思い起こしました。どこをどうとってもパーフェクトでつやつや。

ただ、音色そのものは本田さんに似てるなと思いましたが、この日演奏されたジェラルドの曲は本田さんほどファンキーでも、キャッチーでも、テクニカルでもなかった。もっとゆったり、ちょっとジャジー、あまりテクニックは誇示しない、耳あたりのよい大人っぽい音楽でした。おお、そういう音楽をスムースジャズというんでしたね。とにかく完璧なテクニックで、スムースに・・・贅沢ですねぇ。

ジェラルドの音色が金色だとしたら、カークはいぶし銀の音色。ふたりで比べるとはっきりわかります。そのぶんややファンキーでビートのはっきりした曲調で派手さをプラスして、非常に洗練された印象。うーん、やっぱりこのアーバンな渋〜いのがカークだわ〜。去年と同じく、白い麻のスーツで素敵にキメてました。でも帽子を投げてふざけたりはしていなかったなぁ。

全体的に、歌もののカバーなどのわかりやすい曲が多かったのですが、ふたりそろってサム・スカンク・ファンクを演奏してくれたひとこまがあり、フュージョン・ファンの私としては泣けそうにうれしい出来事でした。彼らにしても、マイケル・ブレッカー追悼の気持ちは同じなのでしょう。