音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

セミナースケジュールはこちらです。 山本美芽オフィシャルサイト

パット・メセニー@国際フォーラムA

 4月22日、パット・メセニーの東京国際フォーラム公演に行ってきました。
パットの来日公演を聴きにいくのは3回目か4回目ぐらいだと思うのですが、いつ行っても、おそろしいほどの完成度です。普通、CDとライヴは別物なはずなんですが、CD以上の完成度。今回も、神がかってました。

 国際フォーラムはNHKホールよりも大きくて、巨大なものですからステージが遠い。といっても武道館なんかよりはずっといいのですが、ステージまで距離があるせいか、ときどき「これってCDみたい・・・」と思い、また聴き続けると「あ、そんなわけない。生だわ」と思い・・・、そんな感じでした。PAは非常によくて、大きな会場のストレスみたいなものがほとんどなく、細かいギターの音色や余韻までよく聞こえてきました。素晴らしい!!

 新作「ザ・ウェイ・アップ」は、CD1枚で1曲という大作。これをいつやるのか・・・私は、最初にやると思っていました。理由は、カシオペアのこの前のライヴで、25分の曲を最初にやっていたから(笑)。終わってから野呂さんにどうして最初にあの曲を? と質問したら、「あれをまず終わらせないと、落ち着かない」というようなことをおっしゃっていたから。もちろん、それはカシオペアの場合であって、メセニーの場合がどうなのかは直接きいてみないとわからないですが・・・でも、やっぱり「このあと1時間の曲が控えてる」なんて思いながら演奏するのは、イマイチのような気がします。

 しかしザ・ウェイ・アップは、音楽上の区切り、緩急みたいなものはもちろんありますが、明確な楽章にわかれている箇所もなく、ほんとうにぶっ通し。クラシックだって1時間以上も区切りがないなんて曲は、何があったかなあ・・・。あの長さを暗譜というのも、人間離れしているなー。
一時間以上も、一息つける場所がないまま集中するのは、けっこう大変でした。でも、基本的にメセニーサウンドだし、いい曲。「あっここ好き」と思うメロディやリズムパターンもたくさんあったし、ロドビーが弓でごごごご〜とベースを弾くところとかも好きです。

 メセニーのライヴではお約束だった「「ファースト・サークル」の手拍子。これまでライヴのたびに、直前になってあわてて練習→結局当日うまく入れない(爆)のを繰り返していて、さすがに最近はさらっと叩けるようになってきたので、今回こそ! と勝手にリベンジを誓っていたのです。でも今回は、ファースト・サークルはなかったのですね。そんなのは余興だし、別にいいんだけど、せっかく上達したのにな(笑)。「ジェイムズ」「ラスト・トレインホーム」が聴けたのもうれしかったです。ラスト〜のサンチェスのドラム、あんなに速い16ビートって何〜!? と、呆然としてしまいました。いやしかし、素晴らしいライヴでした。ナンド・ローリアも一度生で聞きたかったので、よかった!

それにしてもジャズのカテゴリーに入るコンサートで、あれだけの動員かけられる人って数少ないはず・・・巨大な会場を見回しながら、ここにいる人はみんなメセニーが好きなんだと思ったら、とても嬉しくなりました。