ノンフィクション作家としてすごいな、書くものが面白いなと感じているのが、東京都の副知事、猪瀬直樹さんです。最新作「決断する力」を読みました。
「火の海 ダメかも がんばる」という気仙沼の児童養護施設園長のお母さんからの携帯メールを受け取った、イギリスに住む息子さん。「拡散お願いします!」とツイッターに投稿、それを猪瀬さんが読み、東京消防庁の人に見せ、消防車は夜通し気仙沼まで走って駆けつけ、明け方とともにヘリコプターが1時間半飛んで、400人を救助。
いまとなってはあまりに有名なエピソードかもしれませんが…胸を打たれます。ツイッターで来た情報を見てそれを信じて、救助に行ってくださった東京都消防庁の方の使命感。
感動しながら読んでいてふと、気づきます。
もし、震災のとき猪瀬さんが副知事じゃなかったら、ツイッター経由でのこうした情報は、どう生かされていたんでしょうね。もし、あのとき猪瀬さんがツイッターで情報収集と発信をしていなかったら。
実に恐ろしい。
私は石原都知事、猪瀬副知事のふたりについて、無条件に100パーセント支持ってわけでもなく、「これはどうなのかな?」と疑問に思うこともあります。しかし、この前の震災対応で、お役所的ないろいろな段取りをすっ飛ばして柔軟にスピーディに対応したところは、本当にすばらしかったと思います。
東京で震災が起きたら東京湾の津波はどれぐらい来ると予想されるのかなど、今度予想される危機について踏み込んだ記述もあり、勉強になりました。できれば、地下鉄に乗っているときに地震が起きた場合、特に東京湾近くにいて津波の危険がある場合、どう行動すればいいか読みたかったですね。基本は、停電している真っ暗闇の中で、最寄の駅まで歩いて脱出ということになると思いますが。
それにしても危機管理として、携帯でツイッターができるようにしておくと良いですね。私はドコモのiモードで最近ツイッターもやっています。日本と海外のメディアの各種ニュースなんかも登録しておくと、テレビでやるよりも早くどんどんニュースが飛び込んできますね。読むのがなかなか追いつきませんが。
いまの日本は問題が山積みですが、頑張っている人たち、良いところも確かにあると思える本でした。
- 作者: 猪瀬直樹
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2012/03/17
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