音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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ひさびさのフォーマルドレス

船のディナーにはドレスコードがあります。7日間のうち「フォーマル」の日が2回あったのです。出発前、私は地元にあるデパート「メイシーズ」のドレス売り場に行き、自分のサイズに合ったドレスを20着ほどかき集めて試着室にこもり、次から次へと試着しまくり、黒のイブニングドレスを見つけました。

アメリカのドレスって、日本の10分の1ぐらいの値段なのです。モノも充分ちゃんとしてます。値札を見た瞬間に「えーーー!!!!??」と、「買い物スイッチ」が音を立てて作動しちゃったくらい。もう1着買いたいと思いましたが、いいのがなかったので、その黒いイブニングだけ買って帰りました。フォーマルの日は、そのドレスを着て、夫にもタキシードを着せて、娘にもドレスを着せました。もちろんディナーの前には、撮影コーナーでプロのカメラマンに写真を撮ってもらいましたとも! 

これまでバレエのレッスンで、先生に幾度となく「おなかをひっこめる!」「肩さげる!」「背中!」と注意され、チンプンカンプンな英語に苦しんでいたこの半年間。イブニングを着て英語で会話しながら食事するというのは、まさにその成果を披露する場みたいなものです。「英語にしてもバレエにしても、日ごろ情けない思いを我慢して続けてきたけれど、こういう状況になると、やらないよりはやっておいてよかったな」と思いました。

タキシードを着たウエイターさんさんたちに、白いテーブルクロスにナプキン、銀の食器に真っ白なお皿がいっぱい。それはそれは美しいテーブル風景を毎日堪能しました。・・・が、さすがに、まわりがきちんとしていると、ずーっとピシッとしていなくちゃならなくて、疲れる面もありますね。タキシードを着たウエイターさんにテーブルクロスで、「マダム」とか言ってもらっているのに、でれんとはできません。帰ってきて1週間たちますが、家でのんびり食べるのも悪くないなーと思っています。

クルーズのディナーでは、いわゆるテレビや雑誌で日ごろ見ているゴージャスな世界が経験できました。それはまさにファンタスティックで、素晴らしい思い出となりましたが、毎日続くと、もう充分!! 

たぶん、しばらくはテレビでゴージャスなレストランやらドレスやらを見ても、「いいな〜」と口をとがらせるのではなく「あらまあ、ご苦労様だわ」と構えられそうな気がします。つまり、日常の良さを再発見できるのがクルーズの良さなのかもしれません。