音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

セミナースケジュールはこちらです。 山本美芽オフィシャルサイト

夜9時になっても明るかったアメリカのサマータイム

なーんて書くとなんだかセンチメンタルな感じですが、そういうノリではなく、節電のためのサマータイムを実際にアメリカのカリフォルニア州で2006年から5回過ごしてどうだったか・・・という覚書です。

若干面倒ではありましたが、実際にやってみると実にどうってことはなく、ぜひ日本でもこの際取り入れるべきだというぐらい合理的なものでした。大規模停電だの計画停電のおそれにおびえるぐらいならば、一刻も早く導入してほしい。でも実際どうなのよ、というのがありますね。

3月のはじめと10月のおわりまでサマータイムでした。ハロウィンが終わるとサマータイムが終わって、5時ごろに暗くなっちゃって、ああ冬だなって思う。景気が悪くなってからはサマータイムの期間が、はじめとおわり、それぞれ1週間ぐらい長くなったような気がします。

日本だと、朝の6時とか7時って、すごく明るいですよね。私が住んでいたアメリカの街では、7時ごろにしっかり太陽が照ってる期間は真夏ぐらい。子どもたちの送り迎えで車を運転していると、たいていのぼったばかりの太陽が目に直撃でサングラスが必須でした。7時ごろに夜明けの太陽を見るのが普通。早朝に出勤する人が多いハイウェイは真っ暗なうちからラッシュが始まります。

で、日が暮れるまで、長い。6月、7月ごろは、なんと夜の9時半ごろまで日が暮れないんです。なので、子どもたちは明るいうちに布団に入って寝るんです。

夜の8時ごろまで西日がガンガンに照っているので「夕涼み」という概念はなし。子どもたちは8時を過ぎてから急にわらわらと表に出て遊び始めます。スプリンクラーも日中に水をまいても蒸発しちゃって効果がないので、夜の8時になるといっせいに作動します。ご飯を食べ終わって、外をちょっと散歩するのが8時から9時ごろって感じです。日本の6時半ぐらい?

したがって、夏になると、夕飯も、お風呂も、明るいままで電気はつけないで入ってました。眠くならないし、子どもはいつまでも遊んでいて遅寝になるし、といって日本人のママどうしで「いつまでも明るいと子どもが夜更かしになって困るわよねえ」とぐちっていた思い出が。逆にいえば、不便だったのはそれぐらいです。

あとは、日本だったら暑さが一段落してくる夕方の5時、6時が猛烈に暑い。でもその頃には、お父さんたちはみんな会社から帰ってきて自宅のプールに入ったり、家族で近所のプールに出かけたりなんかしちゃってるんですよね。うそのようですが本当にそうなんですよ。うちの夫も、6時ごろに帰ってきて、庭のビニールプールで子どもたちと一緒に水浴びして、ビールを飲んだりとか、やってましたもん。

サマータイムのあいだは、夜の8時以降に運転することがほとんどなかったので、車のライトをつけて運転することもありませんでした。ガソリンの節約にもなりますし、明るいうちに運転するほうがずーっと運転しやすいのは当然のこと。冬になって夕方から暗くなってライトをつけて運転するのがいつも怖かったです。

独立記念日の7月4日は、年に一度だけ花火ができる日。そう、他の日はやっちゃいけないんです。法律で禁止。で、花火も、夜の8時ごろでは、明るすぎてできませんでした。9時でも、まだ明るすぎ。9時半になって、あちこちで花火が始まります。2歳のころ、息子はずいぶん眠そうでした。花火を見終わった10時ごろ、近所の公園から帰るベビーカーでぐっすり寝てました。

日本に帰ってきてみると、朝の5時、6時台にはまだ寝ている人もいるわけで、そのかわりに夜はみんな起きて電気をつけている。シンプルに、もったいないと思うんですよね。特に夏は、朝のほうが快適だし。サマータイムを導入しないと、夜の7時ごろから花火ができて子どもが眠くないぐらいしかメリットが思い浮かばない。

カリフォルニアにいたころは、まあ気候もあっちは乾燥しているので違いますけど、朝の7時ごろに窓を開けると、まだ夜が明けたばかりなので、それはそれは涼しくて気持ちよかったなー。

日の出の時間を、6時半とか7時ぐらいにもってくると、ちょうどいいんじゃないかという気がします。原発でこれだけ恐ろしい思いをしたのですから、この機会にぜひサマータイム、日本でも導入したいものです。