気がついてみれば、1年半ものあいだ、私はほとんど欠かさず接骨院に通っていました。一進一退ながら、背中の痛みは改善してきて、日常生活を送る分にはさしさわりがなくなってきました。でも、接骨院に行かない土日は、やっぱり背中が痛むのでした。
いつまでも接骨院に通わないと元気でいられないなんて、そんな他力本願なのはいやだな、と私は思うようになりました。
接骨院には15人ぐらい先生がいて、みなさんそれぞれマッサージをしながらいろんな話をしてくださいます。「これは相当疲れてますねえ」といたわってくださったあとで、「やっぱりストレッチがいいんですよ」「運動するのがいいんですね」「歩くのがいいんです」と、先生方は口をそろえていうのでした。
そんな、疲れ果てて限界なのに、運動なんてとても無理!! と、はじめの数ヶ月ほどは、思っていました。
あるとき、背骨と起立筋の間のくぼみを押してくださった先生が、「ああ、ここ、疲労物質がたまってますねえ。ぼくの指先でぶちぶちいってますよ」といいました。
えええええ!? 背中で、ぶちぶち疲労物質がつぶれている!?
なんですかそれは!?
「うん、毎日いろんな人のことをマッサージしているから、さわっただけでわかるんですよ。結局ね、筋肉を動かさないと血が滞っちゃって、疲労物質が筋肉のなかに滞留しちゃうんですね。そのなかに発痛物質っていうのがあるから、背中が痛いわけですよ」
ひととおりマッサージが終わると、筋肉のなかの「ぶちぶち」がつぶれてなくなっているんだそうです・・・。
歩くのも、ストレッチも、運動も、要するに、血の巡りをよくするために必要なんだ・・・。どれもやってない私の背中には、そりゃ、ぶちぶちがたまるわけだ・・・。
この「発痛物質が滞留」の話は、衝撃的でした。
そして、運動不足で血の巡りが悪い自分の状況を、とても客観的に見られるようになったのです。