音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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腰痛と肩こり対策で始めたバレエ(3)

骨院の先生は、毎日朝から晩まで患者さんをもみ続けています。
肩こらないんだろうか?? あちこち痛くならないんだろうか??

そんな疑問を持っていたら、接骨院のある先生が「休みの日にスポーツクラブに行っているんですよ。そうすると体調がよくなるんです」と教えてくれました。

やっぱり本格的に体を動かすしかないんだ、と私の中でだんだん覚悟ができてきました。接骨院に通いはじめたばかりの頃は、自分で運動する気力はありませんでしたが、1年以上も毎日毎日、何人もの先生に一生懸命背中をほぐしてもらったおかげで、「これ以上はもう自分で動くしかないんだ」と思える程度にはよくなっていました。

接骨院には、歩くのも大変そうなお年寄りもやってきます。自分で運動できないのなら、接骨院の先生にほぐしてもらうのも、もっともです。しかし自分で動けるのに、なんで私は、ごろ〜んと寝て、ほぐしてもらっているのだろうか?

そう思ったら、じっとしていられなくなってきました。

まず、ウォーキングから始めました。当時、お昼は気分転換をかねて近くのお店まで歩いて食べにいっていたので、そのときに自転車や車を使わずに、歩いて往復するようにしました。

そして、接骨院の隣にあったバレエ教室のスケジュールを真剣に見るようになりました。
奇遇なことに、ショッピングモールの最上階にあった接骨院のちょうど隣に、バレエスタジオがオープンしていいたのです。

接骨院の行きかえりに、スタジオの内部が見える大きなガラス窓があって、ときどきレッスンしている様子を見ることができました。

そして、あるとき大人のバレエクラスらしきものを見たのです。

レオタードを着て、ひらひらしたスカートを腰にまいて、きびきびと生徒さんたちがバーレッスンをしていました。まぶしいぐらい、エネルギーに満ちた世界がそこにありました。

接骨院も好きだけど、こっちもいいなあ・・・。

どうせ体を動かすのだったら、音楽にあわせたほうが楽しいだろう。せっかく踊るなら、クラシックバレエがいいな、と、私はだんだん真剣に考えはじめました。もちろんまったく習った経験はありません。体は少々柔らかいほうですが、運動神経には自信がないし、スタミナもないほうです。でも、最大の目的は、自力で背中の痛みを直すことなのだから、別にヘタだってみっともなくっていいわけです。

 フルタイムでお仕事している普通のワーキングマザーさんだったら、習い事なんて時間的にまず無理でしょう。しかし、幸い私はフリーランス。しかも、出産後は仕事の中心を雑誌から単行本に移していたので、タイトな締め切りは減っていました。

 普通に考えたらバレエなんて習いに行っている時期じゃないかもしれない。でも、他のライターさんたちは、ライブハウスに連日連夜通い、海外まで取材に行っている。私も子どもが生まれる前は、そんなふうに忙しくしていたから、習い事をはじめる気持ちや時間の余裕なんてなかった。子育てが一段落したころには、体力はもっと落ちているだろうし、レッスンに通う時間だってないかもしれない。今、できないことはいっぱいあるけれど、逆にバレエは、今だからこそできることかもしれない。バレエをネタに本を書くつもりで、新しい世界に飛び込んでみようか・・・。

 3ヶ月ほど、そんなふうに考え続けて、ある日、何かが私の中でぷちっとはじけました。そして体験レッスンの日にジャージ持参で「あの〜・・・」といって教室のドアを開けてみました。