音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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荒川静香がサクラメントにやってきた!!!!!

 先週の金曜日、チャンピオンズ・オン・アイスのサクラメント公演があったので行ってきました。元メダリストのプロ・スケーター20人ぐらいが次々に出てきて演技してくれるアイススケートショーです。

 会場はアルコアリーナという巨大バスケットコート(?)。広さは武道館ぐらいかなぁ? 
 いちばん良い席100ドルぐらいでしたけど、それを奮発したので、前から10列目ぐらいの席で、とてもよく見えました。

 ボナリーにプルシェンコ、サーシャ・コーエンにミッシェルクワン、それこそこれまでオリンピックで見たことのあるスケーターが勢ぞろい。なんかスケートの紅白歌合戦みたい。

 スケートショーを見たのは私生まれて初めてでした。フィギュアだから、回転にしてもジャンプにしても、やってることの基本はバレエとかなり共通しています。でもバレエよりもスピードは断然速くて、普通の舞台よりスケートリンクのほうがずっと広い。結果として、老若男女とわず楽しめる上質なエンターテインメントになっていました。

 うちは家族で行きまして、夫も娘も私もそれぞれがものすごく楽しめた点に改めて感心しちゃいました。特に、娘は頭をぶんぶん左右に振るわ、拍手するわ、休憩時間にロビーに出たらくるくる回転するわで、ほとんどスケーターになりきり気分。たいへんにエキサイトしてました。いくらなんでもバレエだったら、こうはいかないだろうなあ。バレエでもやっていることは似ているんだけど…なぜ、スケートだとこれだけ敷居が低くなるんでしょう。やっぱりスピードと高さなのかなぁ。

 それにしてもみんな体が柔らかくて、筋力がものすごいこと。背中が見事にうしろにそっくりかえるし、足のあがる角度も信じられないほど。ジャンプしたときに足が180度近く開いているし…。それから、ペアの人たちで、女性が男性をかかえて一瞬すべるシーンを何度か見ました。それから、男性が片手で女性をリフトしてたりとか。
 まあ、素質がもともと一般人とは全然違う人たちなんでしょうけれど、ストレッチに筋トレに、みんな一生懸命訓練してきたんだろうなー。結局、見た人を「ええっすごい」と心底驚かせられる何かがあるからエンターテインメントなのであって、人を驚かせるということは、普通ではできない。結局普通でない領域で何かをやるとしたら、すごい才能プラス訓練が必要になるんだなあ…。当たり前のことなんですが、超人的パフォーマンスを2時間ほどの間ひたすら見続けて、やはりそう思いました。

 荒川静香さんがご自身のブログでお書きになっていたように、アメリカでは荒川静香はまだ無名なんですねー。いちばん旬の金メダリストなのに。拍手が小さいんですよ。アメリカ人のサーシャ・コーエンやミッシェル・クワンを迎えるときの拍手と比べると、もう雲泥の差。
 演技の内容を見ると、スルツカヤ、荒川さん、プルシェンコといったオリンピックでメダルをとったばかりの人たちは、テクニック面の安定感がものすごくて、他のスケーターたちとははっきりとした差がありました。でも、こういった「うまいでしょう」系の演技ばっかりでも飽きちゃうんですね。
 そこはちゃんと考えてあって、コミカル系の演技をする人たちが、シリアス系の演技とサンドイッチになっていました。

 荒川さんはアメリカツアーの模様をブログでつづっていて、これが実に面白い。文章が真摯でかわいらしくて、ものすごくしっかりしているけれど、20代のお嬢さんらしい面もあって、彼女の魅力がとてもよく出ています。

 チケット代も安くないし、その日はスケートに行くっていうので夕方から大騒ぎだったけれど、やっぱり本物を間近に見るのはすごいです。行ってよかったと思いました。来年も来るらしいから、行っちゃおうかなー。

 そうそう、スケートなので客席の冷房がただならぬ寒さでした。まわりの人たちはみんなカーディガンやらジャンバーやらひざかけを持っていたくらい。私ははおりものを忘れてしまい寒い思いをしました。このチャピオンズ・オン・アイス、日本でもあるようです。スケートショーに行かれる方は、夏でもしっかりとしたはおりものをお持ちくださいね。