音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

セミナースケジュールはこちらです。 山本美芽オフィシャルサイト

フォー・コーナーズのデビュー盤

Four Corners
Four Corners
Four Corners

日本のフュージョン界の実力派ミュージシャンが集まって結成されたグループ「フォー・コーナーズ」の新作、リリースからだいぶ遅くなったけれど日本から送ってもらい、聴き始めてからもう1ヶ月以上たちます。いまだに、毎日1回は通して聴くのが日課! 超ハマってしまいました。

もともとは、私が長年ファンをしているドラマーの則竹裕之さん、キーボーディストの松本圭司さんにつられてライブに通い始めたものですが、このふたりがほれ込んだだけあって、ギターの天野さんとベースのコモブチさんを加えたこのバンドの演奏は、不思議なほど心の中にす〜っと流れ込んでくるのでした。

待望の1stアルバム。なんでそんなに、おいしい水をゴクゴク飲むかのように心に染みとおってくるんだろうか? と、不思議な思いで聴いています。

ジャンルで言えば、コンテンポラリージャズ寄りの骨太いストレート系フュージョン、という分類になるでしょう。集まっている人はフュージョンだけど編成はアコースティック寄り、音色はギラギラしていなくて、あっさりしているんだけど、音と音の関係が作り出すエキサイティングなスピード感はフュージョン。ステップス・アヘッドの「スモーキン・インザ・ピット」に通じる世界です。

4人の音が「うたっているな」と、感じます。1曲目なんかはわりとテクニカルで、わくわくむずむずしてくるんだけれど、ギターのメロディを歌えといわれたらちょっと難しい。スケールアウトしていて、音の動きが速いですから。でも、ベースラインは・・・歌える。メロディアスです。

作曲を手がけているのは天野さん。素晴らしい大自然や野生動物を見ているような、ナチュラルな力強さと美しさのある楽曲です。
それから松本さんも2曲提供しています。松本さんの曲には彼らしい孤独な広がりがあって、きゅーっと胸が痛く、甘ったるすぎず、たまらない気持ちになります。

ふだんジャズを聴かない人が「おおっ!?」といって手に取るような派手さはないかもしれないけれど、聴けば聴くほど発見がある、とても味わい深いアルバムです。

最近は「もーだめ、英語は聴きたくない…」というときに、たいていこのCDをかけて、ぼーっとしています。疲れがとれます。