「森」についてはよくわからないことが多いんですが、フュージョン界のジャニーズという話を聞いたことがあったような・・・。チェロの柏木さんとドラムの則竹さんが共演ということで、なんだか繊細でメロディアスな音楽が期待できそうだなと思っていました。昨日、突然行けることになったのでライブを聴いてきましたが、やはりその予測は合っていた! チェロが入るだけで、ぐっとロマンチックな感じのサウンドになるんですね。アコースティック・ベースの西嶋さんも、普段はピチカートで(←という形容でいいのかいまいち不安ですが)弾きつつ、ときどき思いっきり弓で旋律を朗々と弾いちゃったりして、それが柏木さんとアンサンブルになってたりするとまあ非常にクラシカルなんです。非常に音楽としては「イマージュ」に通じるスウィートさを感じました。スイートなサウンドはやっぱり集中するのも楽だし、すっと心に入ってきてくれます。
終演後に客席を見たら、うわっと驚くほど20−30代の女性だらけで、お昼頃から並んでいた人もいたとか。うーむ、やっぱり女性は甘いもの好きなのだろうか・・・とか考えてしまった(笑)。でも、甘くて口当たりが良いだけでは決してそれだけでは終わらないサウンドです。ドラムが入ることでスピード感や推進力が生まれてきて、海の上を船で駆け抜けるような爽快な音楽になる。
MCを担当していたのはギターの越田太郎丸(たろま)さんでした。アコースティックギターで、心地よいボサノバ系の曲を作られているようですが、MCは二枚目半というか独自のキャラを確立していて笑えました。っていうかこういう人だったの!?とちょっと驚き。実は2月のSTB公演を撮った「森」のライブDVDまだ買っていなかったので、これからアマゾンで注文します。
そうそう、この日、スクェア時代に則竹さんが作った「ア・デイ・イン・ブルー」を演奏してくれたんですよ。この曲がライヴで聴けるなんてことはめったにないので感激でした。サビの部分はチェロが弾いていて、なかなか良い雰囲気でした。
ピラミッドの鳥山さんもそうだけれど、柏木さんも「イマージュ」の人に、といえるわけです。私自身なぜかイマージュはそれほど入れこまないのだけど、結局則竹さんもイマージュに参加したから、そのつながりで「森」ができたのかなあ。フュージョン界はメジャーバンドでも集客がきびしくなって、どんどん小さなライブハウスに会場が移っているけれど、葉加瀬さん率いるイマージュは、国際フォーラムのような巨大な何千人ものお客さんたちを集めて、それこそ普段コンサートに行かないような人たちも魅了しているわけです。イマージュだってインストなのに、どうしてこんなに人気に差がついちゃうのだろうか? とこれまで答えが出なかったのですが、「森」に散りばめられた「甘くて口当たりがよく、かみしめてもおいしい」エッセンスを体感して、ちょっと考えるものがありました。これだったら、本当に普通の人が来てもすんなり入れるだろうなあ。超絶技巧志向、小難しさ志向皆無で、美しくロマンティックで雰囲気がありつつエキサイティングな音楽づくり最優先。もしかして、今のフュージョンに足りなかった大衆性(良い意味で)はこのへんにあるんじゃないか?? 今後「イマージュ系フュージョン」が台頭するのではないかという考えさえよぎったのでした。