音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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T-スクェア@渋谷公会堂

 アドリブの取材で行って来ました。いわゆるレポート的な内容は雑誌用にとっておかねばならないので、ここでは個人的な雑感を。

 ライヴに行く前、「あ、今日でスクェアで演奏する則竹さんは見られなくなるんだ」と思いだしました。・・・そうしたら急に、突然落とし穴に落ちたかのように、どよ〜んと落ち込んだ気分が襲ってきたのです。あ〜やだやだ、いい年して、何をセンチメンタルになっとるんじゃ(喝)。ですが、ライヴに行って、演奏がはじまったら、そんなじめっとした気分はどこかへ飛んでいってしまいました。すごく勢いのある演奏で、実によかったのです。完全燃焼した感じ。

 まあ、今回はアルバムからしていい曲ぞろいだったし。新ドラマーの坂東慧さんとのツイン・ドラムなんかもあって、非常に聴き応えがありました。2階席で周りの方々が立たなかったのもあって、手拍子をとるのも忘れてじっとききいってました。・・・なんだか、そうやって演奏に集中していたら終わってしまったので、いまだに則竹さんがいなくなる・・・という実感が湧きません。だけど、やっぱりいなくなるんだよなあ。

 スクェアのこととは離れますが、そういえば諸行無常という言葉があった。ゆく川の流れは絶えずして、なんて言葉もあった。別に、スクェアだけが変わっているだけじゃない。私自身だって、めちゃくちゃ変わっている。2・3年前の日記を読み返したら、「こんなこと書いてたの」と絶句することもある。流れ流れて、いつか岸にたどりつくまで、流れ続けなきゃいけない。河を流れる石の形が下流にいくにしたがって丸くなるように、流れているうちに、どんどん変わってしまうのも、自然の摂理。・・・何の話を書いていたんだっけ、そうそう、スクェアのメンバーが、入れ替わっていくという話。

 とにかく、いや〜な気持ちを、演奏で吹き飛ばしてもらって、スカッとさわやかに締めくくれて、よかったのかな・・・、そんな感じ。すごく個人的なことなんですが。もっとライターちっくなレポート的な文章を期待して読んでくださった方がいらしたら・・・いや、そんな人いないか・・・でも、一応、すいません。

 それと、T-スクェアのボックスセット「帰還完了報告」をやっと入手しました。今回、ディスク3として入っている、カシオペアvsザ・スクェアの東京公演初日のライヴ盤がありまして、私はライナーノーツを執筆しています。どんなふうになってるのかな? 紙に印刷したのがはさんであるのかな? と思ったら・・・CDサイズのブックレットに、ステージ写真をふんだんにはさみつつ文章が流れていくスタイルで、超・立派。ちょっとビビりました。今回は、べつに「執筆者のスクェア&カシオペア論」とかじゃなくて、ライヴレポートに近い内容が求められたので、全然私の「色」みたいなものは出したつもりもないのですが・・・でも、自分の書いた文章が立派な紙や写真で体裁よく整えていただけるのは、光栄なことです。DVDも見てみなくちゃ。