音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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初見力がないのが敗因だった・・・

私が今、T-スクェアやカシオペアや、いろんなフュージョンのコピーをしようとして、一番壁になるのが、コードのことや、音階のこと。結局、いくら譜面だけ見てそれを弾けても、音楽の構造っていうものがわからないと、厳しい部分が多くて、そこでつまづいちゃうんです。だけどホントはクラシックの曲を弾くのでも、音楽の構造がビシッとわかってないと、ダメだったんですね。

自分が音楽の「構成」に弱ってことが自覚できてから、いろんなことが見えてきたのですが、一番「はっ」としたのは「譜読み」のことです。
 
私は長年「譜読み」が遅くて苦労していました。1週間でこの10ページの曲を弾いてらっしゃいと言われても、何が書いてあるのかゆっくりでないと読めなくて、ぜんぜん弾けない。

何がいけないのだろうと長い間思っていたけれど、結局、読譜力が、弾く力に対してものすごーく進歩が遅れていたのですね。それは、音楽の構造がわかってないってこと。

楽譜を見ただけで、構成から和音まで全部スーッと理解できるぐらい簡単な曲だと、いきなり初見でも弾けるんです。

そうか! ショパンエチュードであっても、そうやって譜面を見ただけでスーッと理解できる段階まで読譜力がついていれば、初見でとりあえず弾けるのかも!
と、思います。

そうなるには、自分がいま楽々初見で弾ける程度の曲を、しっかりとアナリーゼ(分析)しながら、たっくさん弾きまくればいいのだと、やっと実感できてきました。

どうしても、難しい曲、憧れのあの曲にチャレンジしたい! って思ってしまう。それが悪いわけじゃない。だけど、人生の限られた時間の中で、どんどんいろんな曲を弾いていける力をつけるために。
まずは初見で弾ける、読める曲を沢山弾くことで、読譜力をつければいいんだ! ・・・そういうことで、いま、私は、小学校のころに弾いていた曲を片っ端から弾いてます。

初見力さえつけば、私のピアノ人生は変わる!! という信念ができたので、そういうやさしい曲ばかり弾くことに、抵抗がなくなりました。やさしい曲をどんどん弾いていくのって、思っていたよりもずっと楽しい。初見力をつけるんだ、という目的を持って弾くと、やさしい曲でも、やりがいが強く出て来ちゃうのも不思議です。