音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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ピアノ教師の昭和と平成

昭和の女性ピアノ教師のよくあるビジネスモデルは、サラリーマンの夫と子どもがいて、夫の名義で住宅ローンを組んでピアノの部屋のあるマイホームをつくり、家族に負担のない範囲で、パートさん並みの売り上げで、扶養に入りながら自宅の1室で教室を行う。というものでした。これはこれでとても優れたモデルです。

残念ながら、平成になってから、昭和のピアノ教師モデルを実現するハードルがあがってきました。

まず平成になってからは、サラリーマンで奥さんは扶養の範囲で働いてくれれば大丈夫、といえるだけ稼げる男性が減っています。ローンを組んで自宅購入するというのもかなり高いハードルです。奥さんの年収は100万円では困る、もっと300万ぐらい稼いでくれないと家計が成り立たないという事例が増えています。また、結婚しないでシングルのままピアノ教師を続けるとなると、少なくとも実家などが教室開業できる状況でないと厳しいです。

いずれにせよ、少人数でのんびり教えていては、生活できない、という状況になってきています。40人、50人といった人数を目指したり、自宅教室で自分が教えない日にお友達の先生に教えてもらったり、駅前のテナントを教室として借りて数人の先生でシェアしたり、など、経営の効率化をはかる先生がじわじわと増えています。そして、生徒さんが集まらない先生は、パートに出るなどのダブルワークをせざるをえない場合も出てきています。

平成モデルでは、良くも悪くものんびりやっていたのでは、ピアノの先生が職業として続けられなくなってきています。生徒募集や教室運営の向上には、指導力の向上、そして広報宣伝活動が不可欠です。指導力と発信力を兼ね備え、競争の激しい平成の世の中で生き残るため、先生方のお役にたつ情報を発信していきたいと思っています。
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