今日は多喜靖美先生のレッスンに行ってきました。1月からスタートして今日が3回目。
チェルニー30番の13番(もっていくのは3回目)、14番(初)。
チェルニーはだいぶ速く弾けるようになったわね、とまず喜んでくださり、私もほっとしました。なんだかテンポ感がすごく忙しい感じ。たとえば、同じ30キロでも、自転車に乗っていたらすごく速いし、車に乗っていたらゆっくりに感じる。そこまでテンポをあげなくても、テンポが速く流れているように聞こえる演奏に…ということで、先生の弾くハーモニーの伴奏にあわせて、追い立てられるのではなく、少し落ち着いた気持ちで合わせていったら、「そうそう、いいわね」…何がよかったのか、よくわからず!?
でもなんとなくわかるような気も。テンポを速くしなくちゃと思ってあせった感じではなく、実際のテンポがどうかというより、弾いているときのテンポの感じ方として、あせったり前のめりになったりということがなく、淡々と気持ちよく流れる感じ、が少しつかめたかもしれません。一応この曲はもうマルでいいんじゃないかしら、ということでしたが、「セミナーでお話するときに(注*予定はありませんが)、へたバージョンと上手バージョンで弾いてお聞かせしたいんです。上手バージョンというには、もう少し煮つめたいので、引き続き…」ということでお願いしました。
チェルニーの本には、何ヶ月も1曲を続けるのは避ける、3週間ぐらいでおしまいにしましょうと書きましたが、それは「飽き」を避けるため。まだまだ磨けばよくなりそう、もっとやりたい、と思えば、別にやってもいいわけですよね。しかしチェルニーに対してそういうふうに思える日が来たことが自分ながら信じられませんね。
14番は音階の練習。音階を上手に弾かなくちゃ。テンポもあげなくちゃ。がんばれがんばれ。おっと、左手のスタッカートもちゃんとつけないと。と思って弾いていたら、先生は、「この曲はね、左手の伴奏の和声は変えられないけれど、右手の音階は、別にこの音符じゃなくてもいいわけですよ。飾りなのね、右手は。こうでもいいし…」と、即興でいろいろ弾いてくださいました。
右手の練習だから右手が大事じゃん、という考えにいきやすいわけですが、確かに右手は大事だけれども、実は音楽としては左手が骨格である、ということです。あくまで左手の飾りと思って右手を弾いてみましょう。ということでした。目からうろこです!! またしても先生に伴奏を弾いていただきながら2台ピアノ状態であわせました。すぐにはうまくできなくて、でも少し感覚はつかめました。
チェルニーは練習曲なので、どういう構造でできているのか分析が非常に容易です。何の練習なのかわきまえるのはもちろんですが、それと同時に、音楽の骨格部分、ハーモニーとテンポをつねに意識の中心におくことが、音楽的に弾くために重要なのですね。
音の粒をそろえるとか、はずさないようにとか、そういうことも大事だけれど、そうした細かいこと以上に、まずは骨格をしっかり意識を持って弾くことが大事なわけです。
「21世紀へのチェルニー」には「何の練習かわきまえる」「音楽的に弾く」「テンポをあげる」と書きましたが、その3つの命題をつなぐものを今日のレッスンで得ることができました。
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