音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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ヘヴィメタルビバップ

ヘヴィ・メタル・ビ・バップ
ヘヴィ・メタル・ビ・バップ
ブレッカー・ブラザーズ, ランディ・ブレッカー, マイケル・ブレッカー, バリー・フィナティー, テリー・ボジオ, ニール・ジェイソン

マイケル・ブレッカーがお兄さんのランディとやっていた「ブレッカーブラザーズ」、1978年のアルバムです。

このアルバムに入っている「サム・スカンク・ファンク」は、ほんとうに衝撃的な1曲でした。

調はGマイナーで始まりますが、スケールアウト、つまりその調に出てこない音がバリバリにてんこもり。ミがフラットになったりナチュラルになったり、ラがフラットになったりナチュラルになったり。転調も多いです。それだけ複雑なのに妙にポップで、この曲のメロディが始まると何か身動きできず聞き入らずにはいられないような激しいインパクトがありました。

あの異様なインパクトの正体はいったい何だったのだろう・・・。

私が初めて聴いたのは90年代後半になってから。そのときでさえ、なお衝撃的だったのです。

スケールアウトに代表されるように、ジャズは、音の配列でインパクトを出します。

ヘヴィーメタルというタイトルにあるように、このアルバムで取り入れられた電気楽器のエレクトリックな音色は、ロックに由来するものですが、エレクトリックな音色の激しい歪みは、一音一音そのもののインパクトで聴き手を圧倒します。

音の配列が生み出す凄み、一音一音の変化が作り出す迫力、そのふたつの要素をひとつにして聴き手を圧倒したのが「サム・スカンク・ファンク」であり、ブレッカーブラザーズだったのではないかと、今になって思う次第です。

http://d.hatena.ne.jp/masaishii/20070117