実家に弟夫婦といっしょに泊まりました。
小学校5年、ブルグミュラーでピアノをやめて練習嫌いだった弟が、いま40半ばになり、2年前から突然クラシックのピアノを聴き始め。
ブレハッチやトリフォノフ、ツィメルマンがいいとか横山幸雄さんの一日中コンサートやらラフォルジュルネに行っただの滔々と語り、堂々たるクラオタ、じゃなかった。リスナーになっておりました。びっくり。
おせちの他に母が作ってくれた手作り餃子を食べながら、姉と弟は、こんなトークをしていました。
「お姉ちゃんは、ショパンのバラードは弾けるわけ?」
「バラードは高校大学で全部やったよ。この前生徒さんにも教えたし」
「え〜⁉︎ バラードが全曲弾けるの⁉︎ お姉ちゃんすごいね。見直した。」
「スポンサー(両親)と、先生のおかげです(笑)。バラードは人前でも弾いたけど、ソナタは譜読みしただけだなぁ。難しいけど格好いいよねー。ショパンコンクールで、みんな弾くじゃない」
「僕は、舟歌が好きなんだよ」
「おお、渋い!いいよね、あれは、大変なわりに地味なんだけど、いい曲だよね。あれも譜読みしただけだな。大変だよ、弾くの」
「僕さあ、アルゲリッチ苦手なんだよね。譜面から崩してるじゃん。楽譜読めないけどさ」
「きっちりしてるのがいいわけ。ポリーニとか」「そうそう。あ、ブレハッチいいよ。お姉ちゃん。ポーランド行きたいんだよ」
「お母さんいったんだよね?ポーランド」
「うちのお母さんは、たいていの場所行ってるもんねぇ」
「ポーランドもいいけど、フランスにもショパンの住んでた家とか、弾いたホールとか、いろいろあるよ。旅行だったらパリの方が楽しいかも。あっミケランジェリは聴いたことある?」
「知らない」
「え〜⁉︎ すごい完全主義で、伝説の人なんだよ。聞いてみたら」
など、お姉ちゃん風を吹かせて、偉そうにアドバイス。
「なんでロシアのピアニストは音がキレイなの?」
「私ね、そのネタでセミナーやってて、今年また関西にも行くんですよ。まず3の指導入っていうのがあってね」
「へぇ〜セミナーでそうやってしゃべってるんだ〜。この話は大事です、みたいに」
「だってさ、この話ピアノの先生が知らないとヤバくない」
「そうだね〜〜」
どのピアニストの演奏がどうの、としゃべってると、なんか知的に見えるじゃないですか。いや、ごめん弟よ、君は実際に知的なんだけど、クラシックを論じていると、とっても格好いいですよ。
ピアノ習わせて良かったね、お母さん。