藤井一興先生、いま一番好きでできる限り聴きに行っているピアニストのひとりです。
以前に単行本のお手伝いをした中井正子先生もそうですが、フランスのパリ国立高等音楽院の一番いい時代にすばらしい場所で勉強されてきた方で、いろいろ天才的。そのすごさの全貌は理解しきれていませんが、とにかく音色がすごいんです。聴いているだけで心があらわれるようで幸せ。っていうかピアノってあんな音がするんだった!?という衝撃。
藤井先生の音を間近に聴いたのは、昼間にカワイ表参道でやっているセミナー初めてでした。最高峰のシゲルカワイフルコンを備えた素敵なホールがあるのです。そこで藤井先生が、ピティナのコンクール課題曲を弾いてくださったのですが、とにかく絶品で、おそらくその場にいた多くの人が、コンクールとかもうどうでもよくなって曲に聴きいってしまいました。
その後も継続して表参道では藤井先生のセミナーがあり、なんとショパンのエチュードとバッハの平均律を演奏しながら解説してくださっています。先生の講義やおしゃべりがまた面白く興味深く、聴いたことのないような指や腕の使い方やペダリングなどの話やアナリーゼの話次々に出てきて、うわぁ~と毎回テンションあがりっぱなしです。
しかもお話がわかりやすい。パリのマダムみたいなエレガントさと気さくな感じが最高なんです!!
演奏もうなるほど素晴らしくて平均律のフーガとか、ため息もの。セミナーというかトークライブ的に楽しんでしまっています(笑)なにしろ至近距離なので最高です。
11月にまた表参道でセミナーがあるので楽しみにしています。
詳細はこちら http://www.piano.or.jp/seminar/list/s_info/2015161
先日は藤井先生の新しいCDもリリースされました。これは清らかで心があらわれるようなバッハのイタリア協奏曲にはじまり、超絶技巧のアルベニスを軽やかに、重量級のリストのソナタ、そして作曲家でもある藤井先生のキラキラした作品「玉虫の厨子を見る夕」はチェロとのデュオ。
個人的にはリストがいちばん聴きごたえありました。迫力や重量感を保ちつつ、重苦しさや息苦しさがなくて、自由で伸びやかな感じが共感できます。
なんとも贅沢でフルコースのような、リサイタル感覚で楽しめる作品です。