音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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不況下で存在感を増すピティナは「インフラ」

ピティナには5・6年前から入っているのですが、ただ会報を読むだけでした。会報の内容はものすごく水準が高くて、娘も含め、自分が教えている子どもたちはコンペとは無縁でしたし、なんだかハイレベルで別世界だなと、思っていました。

しかしそんな考えは大変な不勉強だったと、先日ステップの説明会にいってわかりました。ステップならば、趣味で練習もろくにしない子でも、忙しくてさっぱり練習する暇がない大人でも、なんとか参加できる余地はありそう。

…と思っていたところに、本部で福田専務のお話を聞く機会があり、ステップ以外にも、多くのコンクールの事務局代行とか、WEB上の「ピアノ曲事典」づくり、そして海外のコンクールにライターを派遣してのレポート掲載、コンサートの主催や後援、セミナーの開催や受講の促進など、まあ驚くほどトータルに事業は広がっているのですね。ほんと、自分は不勉強でした。

とても印象に残ったのが、「ピティナはインフラなんです」という専務の言葉。

そして、「うちのスタッフは、とにかく働くんです」という言葉も。

ピティナ=コンペではなく、もはや、ピティナ=インフラなんですね。ピアノを弾く人の図書館とか市役所とかグーグルみたいな感じ。確かに、ステップやらセミナーやら、ピアノ曲事典とか、セミナーをオンラインで受けられるeラーニングとか、いろんな事業を展開していくのには、効率よいノウハウや切れるスタッフが不可欠です。そういう意味で、ほんとに、ピティナはインフラとして、コンペには縁がない人も、コンペには関係ないからといって利用しないのはもったいないです。

会費を毎年払っている立場としては、会費が上納金みたいになって本部はリッチに優雅にやってるのかなあと思ったら、なんだか払うのがばからしくなってきますけれど、まったくそういう感じとは正反対でした。本部の立地は巣鴨の駅前でいい場所ですけど、渋谷でもなく表参道でも六本木でも丸の内でもなく、巣鴨。コストパフォーマンス、良いでしょうね。

確か96年でしたか、亡くなった理事の福田靖子先生に「ショパン」の仕事で、内藤編集長に連れられてインタビューにうかがったことがあります。そのとき「これからステップっいうのをはじめるのよ。これはすごいものになりますよ」と自信たっぷりに靖子先生がおっしゃっていたのを今でも覚えています。そのステップがまさに見事に広まって、私も親子で参加をもくろむようになったんですね。

不況で音楽業界はどこも本当に大変。でも、ピティナはぜんぜん平気な様子。会員数が、不景気だから減るというようなものでもない。ずっと地道にやってきたから、不景気でもたいして影響がない。強いです。

インフラとしてのピティナの使い方、私もこれからいろいろ研究していきたいと思います。