川上昌裕先生のカプースチンの本が出ました。
カプースチンとの出会い、そこからコピーの入手、楽譜出版に向けたカプースチン本人とのやりとり、
ロシアと日本という距離を物ともせず、川上先生が情熱を傾けて突き進んできたのがわかります。
楽譜ってこうやって世にでるのか、とわかります。
カプースチン自身のバイオグラフィーや、作品解説、さらにカプースチン特有の指づかいやリズム感などの記述も示唆に富むもの。
いま私が取り組んでいる斎藤守也さんのムジカノーヴァ連載でも、自筆譜を印刷楽譜にしていく作業があり、私は自筆譜を頼りに練習してみて、たくさん質問したいことが出てきます。それを質問して答えてもらい、解説にしています。川上先生の本は、こうした作業の進め方という点でも、大変勉強になりました。
川上先生がライフワークとしてカプースチンにたくさん質問しながら明らかにしてくれた貴重な内容です。