3日目の寄港地はアメリカに戻って、バーハーバーでした。ここは、アメリカでも一番北のメイン州にある夏の避暑地。アカディア国立公園の美しい自然の中に、たくさんの島があって、マウント・デザート島の中心となるのがバーハーバー。このかわいらしい町のあたりだけ、春から秋のあいだだけにぎわいます。
大きな港はないので、テンダーボートで上陸しました。
小さな港に3席からの乗客が押し寄せてごったがえしています。
船が停泊しているフレンチマンベイにそって遊歩道があったので、そこを散策しました。目の前には深い青色の海、そしてぽつんぽつんと浮かんでいる島々。行きかうヨット、沖に停泊するクルーズ船。
1−2メートルぐらいのがけの下に岩場があります。ところどころ岩場に下りると、満潮のときの海水がプールみたいにたまっていました。波がざっぶーんと打ち寄せて、潮の香りが漂います。平らな岩を積み重ねたみたいな、長瀞の岩畳のような岩場でした。
海に面した2メートルぐらいの場所だけは遊歩道になっているのですが、そこより陸側はぜーんぶ豪邸の敷地でした。つぎからつぎへと、19世紀の終わりに建てられた豪邸が奥のほうにそびえ、その手前には小学校の運動場かと思うような広さの芝生が一面に広がっています。やっぱりアメリカに入ると、いい場所はぜーんぶお金持ちが占領してるんだよなあ…と思いつつ歩いていると、この遊歩道も実は豪邸の敷地だけれど、地主の好意で遊歩道になっているんだとか。ありがたいことです。
お昼にはメイン州名物のクラムチャウダーとロブスターを食べました。ロブスター1匹15ドルぐらい。うーん、安いと思います。さすがに、産地ですからね。3隻のクルーズ船が寄港していたので、レストランもお店も混んでいましたけれど。私はパスしちゃったんですが、夫がロブスターの細い足の中身を食べるのに苦労していました。
午後からはバスに乗って、アカディア国立公園の山の中をずっと通って山頂まで行きました。山頂からは、島が360度ぐるりと一望! 天気もすばらしく、空の色も海の色も冴え渡っています。紅葉にはまだ早かったですが。
こんなところに避暑に来てのんびりできたら、確かにそれは最高かも。バスのガイドさんが、「この建物はキャンベルスープの会長の別荘で、ここはだれだれの別荘」と、いかにバーハーバーが有名人・富裕層が集う場所なのか得意げに説明していました。
この記事の写真はウィキペディアのページにあるフリー素材を使わせていただいています。上のほうは絵なんですけど、まさにこのまま。1908年の絵でもう著作権も切れているそうなんですけど、海沿いの遊歩道のあたりは、この絵とほぼ同じ景色でした。