音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

セミナースケジュールはこちらです。 山本美芽オフィシャルサイト

メルマガ27号より

ブログ読者の皆様、山本のメルマガは購読していただいているでしょうか?

今年6月から配信をはじめた「音楽センスを伸ばしたい!」、おかげさまで大変ご好評をいただいております。

内容がくだらないと「購読解除」が起きるのがメルマガ界の常識なんだそうですが、私のメルマガは購読解除が非常に少ないというか、数えられるほどしかありません。たぶん、違うものを期待して間違って登録されてしまったような方でしょう。

一応、単行本の下書きをつくるという目標でやっておりますので、何を書こうか? ということはかなり練っているので、読者のかたも、ちゃんとそれを感じてくださっているのだな、と思います。

練りに練った内容だけだと読んでいて疲れるので、軽めのエッセイだとか、CDや本の紹介も入っています。ということで最近の号から抜粋で記事をご紹介します。

メルマガ界の王道としては、バックナンバーは公開にしたほうが読者が増えるということになっているようです。でも私の場合は、メルマガをベースにあれこれ書き換えて本にするので、下書き状態は不特定多数の人には見られたくないのです。あくまで、読者として登録してくださる方と、細い糸でつながる関係のうえで読んでいただくほうがいいな、と。

読者登録してくださっている方は現在260人ぐらいです。
もちろん読者は増えたほうが嬉しいですが、あまり増えてしまっても、ひとりひとりと人間関係をつくれなくなるので、これぐらいがいいなと思っています。

中学校で教えていたとき、一学年5クラスが200人でした。1年生と3年生合計10クラスを教えていて、400人の名前と顔は全員一致していました。でもそれ以上に人数が増えると双方向は難しいでしょうね。
でも、新規に登録してくださったり、お友達に紹介してくださるのは、大歓迎です! 

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 先日、ヴァイオリニストの千住真理子さんと、お母様の千住文子さんが対
談した本「母と娘の協奏曲」を読みました。


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 この中に、、「天才」について、ちょっと過激ともいえる記述があったの
でご紹介します。

「天才という言葉は本当によく考えてみると、人間のジェラシーから来てい
るの。そこにあるうらやましさ、自分は怠け者であるということを棚に上げ
て作り上げられた言葉ではないかと私は考えるわ」(文子)
「やっぱり、そうよね、そう思うわ。『天才』という褒め言葉の衣装を着せ
た差別よね」(真理子)

 さ、差別!?
 いきなり、読みながら少々びっくりしてしまいました。
 でも、真理子さんもお母さんの文子さんも、「天才」といわれることで、
傷つき、苦しめられてきたことが、この本を読むと、よくわかります。

 しかし、音楽ライターとしては、「天才ピアニスト」「天才作曲家」「天
才ヴァイオリニスト」「天才少年」「天才少女」等々、やっぱり目を引くキ
ャッチフレーズであるというのが正直な思いです。

 でも、天才と言われる側はどういう気持ちなのか。
 そのことについて、アーティストがはっきりと発言しているのは、ちょっ
と珍しいかもしれません。

 千住家の3兄弟は、日本画家の千住博、作曲家の千住明、ヴァイオリニス
トの千住真理子。3人の芸術家を育てた母として、文子さんは何をやってい
たのか…これは、もう400字やそこらでは説明できません。そんなに特殊
なことではないけれど、お母さんなりにできることを全力で積み重ねたんだ
なあ、ということがわかるエピソードが詰まっています。

 いわゆるインタビューの中では、音楽家でも画家でもカッコいいことを言
わざるをえない状況になっているので、「ははぁ〜こういう人たちは、凄い
ねえ」という内容にまとまりがちです。

 でも、こういう「お母さんが書いた本」になると、千住真理子でも、ただ
の「うちのマリコ」になっちゃうんです。
 こういう本を読むと、天才だの巨匠だのいわれている人も、同じ人間なん
だよなあ、というリアリティが伝わってきます。

文庫版「千住家の教育白書」も、あわせて、おすすめします。

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