音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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私のなかでは1対1

 毎日少しずつですが、「音楽家とルックス」を書き始めています。
いつもライヴに行くと思うんだけど、音楽って、表現している人と受け取る人のあいだにまったく何の邪魔も入らない。すとーんとストレートにやりとりができちゃう。もちろん、演奏する側は発信、聞くほうは受信という一方通行なんですが。以前は、伝わってくるものがストレートで、リアルで、手ごたえがあればあるほど、ときどき自分が大勢のひとりであることが寂しかったのです。これは音楽というものに宿命的につきまとう構造的な問題で、どうしようもない。自分のなかの枠組みを変えるしか、対処のしようがない。
 でもふと気がつけば、このごろ、あまりそういう寂しさを感じなくなってきたようです。やっぱり自分で本を出したことが影響しているのかもしれない。受け止める側の存在が、大勢のなかのひとりではあっても、ものすごく大事な役割を果たしている・・・それが、すごく実感できるようになってきたからかもしれません。
 なぜ、アイドル歌手はお芝居だけじゃなくて歌わなくてはならないのか。たとえ歌がいまいちうまくなくても、歌わされることが多いのはなぜか。それはやっぱり、音楽の力なんだろうなと思うのです。お芝居で台詞を言っているよりも、歌ったほうが、聴き手の心をずぎゅーんと響かせる手段として、容易なような気がするんだなー。