音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

セミナースケジュールはこちらです。 山本美芽オフィシャルサイト

闇のなかから

初めてトラックバックに挑戦してみますね。こればウェブログならではの機能のひとつで、他人の日記を引用すると、そちらの日記の下に「こんなふうに引用されています」という表示が出るシステムなんです。

私がブログの中で好きなのは、室井佑月さん。面白いので頻繁にチェックしています。

室井さんはインターネット上の匿名の悪意について書いています。確かに、インターネットに匿名の名無しで書くというシステムがでてきてから、記名で書くときにはなかなか出てこない闇の感情が、一気にあふれ出てきたように思います。私自身、「そんな気持ちの人がいたのか」とおどろいたり、自分のなんとなくもやもやした気持ちと同じような文章をみつけて「こんなふうに思っちゃう自分がなんとなく好きじゃなかったけど、でも、同じように感じたのは私だけじゃなかった・・・」と感じたり。

 匿名に比べると、記名でものを書くのって、本当に怖い、責任があることです。何かを批判するときは、自分も返り血を浴びる覚悟がいる。ほめるときだって、勘違いしてズレた内容だったら、信用問題につながる。それを思うと、匿名というのは、ほんとうに言いたい放題できる。もちろん匿名には、闇の部分だけじゃなくて、なかなかいえない本音の部分が出てきたりもします。ものすごく仲良くなった気のおけない友達同士じゃないといえないようなことが、どんどん言えてしまうのは、すごいこと。

なによりいえることは、記名で書くと、つい、あたりさわりのない話題で終わってしまいがちなことです。毎日いちばん切実に思っていること、くやしかったこと、腹がたったこと、自慢したいこと、気になること・・・ネットという場で不特定多数に向けて、書かないほうが無難なことが、多すぎる。もちろん、そこで腹をくくって、あえて踏み込んだ発言をしている方々もたくさんいるわけで、それはすばらしいことですが、だけど誰もがそんなふうになれるわけもない。だからあたりさわりのない話題に終始してしまう。ほんとうに気になっていることは、匿名でしか、語り合えない。そんな構図があるのではないかしら。
 
 「インターネットの暗い部分を変える努力をしていきたいのです」という言葉に、室井さんは深く共感してブログをはじめたとか。暗い部分は・・・そんなに簡単に消えないと思う。だって、もともと多くの人の心に存在していたものを、写す鏡ができてしまっただけのことだから。ただ、ネットサーフィンしていて、「なんか面白いサイトないかな」と思ったときに、匿名掲示板だけに刺激的な情報があるんじゃなくて、いろんな人のブログに「へぇ〜」とつぶやく・・・そんなネット社会のほうが、確かにベター。暗い部分を写す鏡だけじゃなくて、明るい部分を写す鏡も増やしていこう、そんなところでしょうか。