音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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KANKAWA・DRIVEでジャムに開眼!?(2)

今回のKANKAWAさんのジャムは、いつも誰かが「当番」(!?)になって、メインでソロをとり、そのソロの展開を見守りながら他のプレイヤーも合わせていきます。そして、KANKAWAさんが指さしゼスチャーとかで「次はお前だ!」みたいに、当番を「ふる」んですね。それが誰にどう来るのか、予想はある程度つくけど、全部は予想しきれないので、「そう来たか!・」みたいなこともあるわけです。

ふっと演奏が途切れた瞬間、突然KANKAWAさんが、ひく〜い声で「カツヲっ」と言いました。そう言われた勝田さんは、一瞬面食らったようにも見えましたが、すぐに気を取り直してひとりでソロをはじめます。そのフレーズが、最初は「ひとりで吹きまくり」だったんだけど、・・・・あれ? なんか、4ビートっぽいリズムが感じられるなあ・・・と思ったら、すかさずドラムとベースがそういう4ビート系のリズムで入ってきました。

ああ、そうか、こういう仕組みで演奏しているんだなあ〜・・・、と、そのとき、はっきりとわかったのです。展開を決めてないから面白い。お互いの頭の中は見えないんだけど、当番の人がやっているフレーズのわずかな手がかりから「頭の中で考えていること」をキャッチして、それを別の展開につなげていく・・・。スリリングだけど、プレイヤーにとっては一瞬も気が抜けないし、そうとうきついことに違いありません。でも、だからこそ面白い部分がある。わたし、勝田さんのあんな「え、俺!?」みたいな表情、MCでこそ見たことありますけど、演奏中に見たのは初めてです。

そう考えるとですね、確かに、MCなんかで突然話しかけられて動揺したりするミュージシャンの様子というのは、素顔を見るようで非常に面白いんですが、KANKAWAさんは、それを、音楽でやっちゃおうとしているのかなあ。実際、この日は、みんな突然指名されてあせったからかどうか知りませんが、「火事場の馬鹿力」的な、ちょっと普段は聴けないようなもの凄いフレーズが、あちこちで飛び出していたんです。