音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

セミナースケジュールはこちらです。 山本美芽オフィシャルサイト

小学生からピュアなオーラをもらう。

 お盆進行が佳境に入って、〆切までのプレッシャーが放物線を描いて上昇しております。ま、この時期にヒマしてたら、ライターっていっても自称だよな〜、ありがたや、ありがたや。でも、きっちり原稿が出せるか、どうしても神経質になってしまいがち。根をつめすぎてバテないように、マメに休みながら、せっせと原稿を書いております。

 ところで昨日、10歳の天才少年ピアニストに取材してきました。
 彼の名前は辻井伸行くん。私は去年ニュースステーションで彼のことが放映されたときに偶然見て、「この男の子はなんてきれいな音で弾くんだろう・・・」ってうっとりしたのでした。
 伸行くんはまだ5年生ですが、見た目はとっても子どもらしくて、ちょっとシャイだけど元気いっぱい。生まれたときから目が見えない伸行くんにとって、ピアノは遊びであり、コミュニケーションの手段であったのでしょう。
 彼の魅力についてはショパン9月号のインタビュー原稿で語るので詳しくは書きませんが、原稿には書けない感想など。
 なぜか伸行くんに会って、自分が子どもの頃の気持ちを一瞬思い出しました。いろいろ計算や段取り、いろんな準備、将来のこと、過去のこと・・・日常のなかで自分の意識につきまとってくるものは、年々増えるいっぽう・・・あーやだやだ。だけど、伸行くんと一緒にいて話していると、なんだかそういうごちゃごちゃしたものが消えてしまうような気がしたのです。一緒にいるだけでホッとするような何かを感じて、伸行くんに会えて、私はとってもうれしかったのでした。

 大学院のときに一緒に授業を受けていた小学校の先生が、「子どもの声には、大人にはない魅力があるんだよね」と話してくれたことがありました。そのときはピンとこなかったけど、今になって少しその意味がわかるような気がします。これまでピアノの場合は子どもの演奏というと「子どもっぽい」という未熟なイメージが強かった。だけど、もしかして子どものときにしかできない演奏って、本当にあるのかもしれないなぁ。

辻井くんのサイト。
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/pianistas/Nobuyuki.html