音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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ホームスクールの極意は、一緒に短時間集中

ホームスクールという言葉はアメリカに行って初めて聞きました。

学校のカリキュラムが気に入らないのでうちでお母さんと子どもで自習するような形を選ぶ、意識高い系の一つの形なのかなと私は理解しました。そういうスタイルの学びを支援する場所もあるそうで。

日本では不登校ということになってしまうのに、ホームスクールという名前になるとすごく前向きだなと感じました。

と、いいつつも、アメリカに行った時点で、子どもたちの日本語学習は、ほぼ「ホームスクール」になりました。週に一度、日本語補習校に集まって授業を受けるのですが、保護者の有志が運営をひきうけ、課題のマルつけなども保護者が行い、1週間日本の学校でこなす分の宿題を持ち帰って、毎日アメリカの学校の宿題と日本語の補習校の宿題を両方こなすという過酷なスケジュールを、ほとんどの親子がこなさざるをえなかったのでした。
ホームスクールで日本語を保持するとなると、親の意識次第で子どもがどんどん変わってしまうのを経験しました。
よくあるのが、日本語と英語が入り混じってしまう事例です。
「きのうライブラリーでブックサーチしたんだけど」のような。ライブラリーって何?ときくと日本語で言えないような。
うちはそこまでなりませんでしたが。
いちいち「日本語で言ってください」とか家の中でやっていると本当にストレスたまりますが
そこをスルーしてしまうと雪崩のように日本語が消滅してしまうという話を聞いて恐ろしくなり、かたくなに、日本語、日本語、英語を混ぜないで、といつも言い続けていました。でも、お友達のご家庭ではそこまで厳格ではなかったりすると、お友達が日本語と英語を混じってしゃべっていたりするわけです。

日本語補習校にいるのは優秀なお子さんが多かったので、日本に帰るとたいてい日本語と英語の混じってしまう症状は抜けるようでした。ただ、英語が喋れるようになってよかったと日本語維持をうるさくいわなかったご家庭では帰国後2年ぐらい日本語が遅れていて取り戻すのに時間がかかったなどの話もきくことがあり、最後まで怖いなと思っていました。

頭がよくて要領のいいお子さんはあまり困った事態にならずうまくいってしまうので、そういうお子さんの保護者からは大丈夫よという話もきくのですが、うまくいかなくなった話ってなかなか言いたがる方はいません。実際はどうなんだろうと思っていました。

 娘がアメリカで日本語保持をしながら英語学習をした経験は「英語できるもん」「帰国子女の英検勉強法」という本にいろいろ書いたので興味のある方は読んでみてください。

いまホームスクールみたいなことになって学習の遅れが、格差が、と世の中でいわれています。格差もなにも、もう、学校がないとなったら、この期間の子どもの勉強はすべて親とやったことそのままになると私は3月に腹をくくりました。

 アメリカで日本語のホームスクール、日本で中学校、養護学校の先生、そしてピアノを教えた経験から、子どもが集中して何かを覚えるのは学校に通っていても1日のうちそれほど長くない時間だと思っています。

家だとダラダラやる気がないのに長く拘束させてもお互い疲弊してしまうので、なるべく短時間に集中して一緒に片付ける、その時間はちゃんとやる、というような方向でやっています。

かといってもできないものはできないので。

覚えてほしいことは短時間でいいから子どもと一緒に気合いれてやる。
そこでできなかったことは欲張らずあきらめる。
もし勝手にどこかで覚えたらラッキー。

そう思いながら子どもの勉強につきあっています。

 

あと、子どもがやる気を出したとき

質問してきたときは

可能な限り付き合うこと。

 

工夫していろいろなことが両立することもあるけど
結局なにかが欲しければなにかをあきらめるしかないこともある。簡単なことではないし一筋縄ではいかない。楽しいこともある。だけど楽しいだけでおさめるのはなかなか難しい。

早く学校が再開してほしいけど、日々、できることをやらないと。わずかな時間、ひとことの会話でも、子どもと意味のあるコミュニケーションができたら良いなと思っています。