春休み、娘が高校生になるので部活がない! ということで、長年の夢だったエーゲ海クルーズに行ってきました。
20年前から愛読している村上春樹さんのエッセイ「遠い太鼓」に描かれたミコノス島に興味を持ったのがきっかけで、ギリシャに行きたい気持ちが膨らみ、子どもたちもそろそろヨーロッパへのフライトに耐えられるかなと。
ミコノス島、トルコのクサダシ(エフェソス遺跡)
船を降りてから、アテネの古代遺跡と、岬にあるポセイドン神殿を見てきました。
クルーズは1日に2カ所島を回るハードスケジュールでしたが、4月上旬で暑くもなく天候に恵まれ、夜明けや夕暮れには、エーゲ海のあまりの美しさに、優しい女神の愛情に包まれているような気持ちになりました。
パトモス島はヨハネが黙示録を書いた洞窟が、怖いくらいに神秘的。
クレタ島ては紀元前の遺跡から出土した壁画やコインを見て、素朴ななかにも強い力を感じました。ベネチア時代の要塞も保存されていて大迫力。
トルコのエフェソスやアテネのアクロポリスといった遺跡は理屈抜きにすごい‼︎ と感動でした。
自然と、都市と、遺跡。
美しさの密度がものすごく濃い。
アテネや寄港した島では、地元のタクシー運転手さんたちにも大変親切にしていただき、温かい心の交流ができました。
「ギリシャに来た人にはみんなハッピーになってもらいたいんだ」「日本は大好きなんだ。行ってみたいね」と、すごいスピードで飛ばしながら優しく話してくれて、花を摘んで来てくださったり。
小さな島のパトモス島は12台しかタクシーがないそう。生まれも育ちもパトモスだという運転手さんはクルーズ船が着くと「too many people 」と笑っていました。
村上さんの「遠い太鼓」に出てくるギリシャ人は、みないい人で義理堅いのです。なるほど確かに。
羽田からエミレーツ航空で11時間、ドバイ乗り換えでアテネまで5時間くらい。待ち時間も入れるとほぼ24時間。やはり遠い。巨大なドバイ空港で深夜えんえんと歩いて乗り換えはちょっと眠い。島も、もっとゆっくり回りたかった、サントリーニ島は人が多過ぎて風情が今ひとつ。函館山をひどくした感じです。それでも行って良かった。
美しいものがなぜ必要なのか。答えはわからないけど、文明が生まれた地に行ってみて、何かが掴めた気がしました。