音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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ピアノ講師の老後と年金

11月に昭和音大で講義するときに学生さんに、ピアノ講師の老後と年金は、どうなの?というお話をしました。

音楽の道に進む場合、公務員として先生になったり自衛隊、消防などにの音楽隊に入る、会社に勤務、以外は、みなフリーランスです。

楽器店の業務請負契約講師、自宅開業講師、フリーランスライター、みなフリーランス

フリーランスは、会社に所属しないので、厚生年金はもらえません。国民年金です。

ちなみに、サラリーマンでも必ず厚生年金がもらえるわけではなく、厚生年金未加入の事業所はたくさんあり、社会問題となっています

昨年末に発表された文部科学省の統計を見ると、平成27年に卒業した
4432人の大学で音楽を学んだ学生のうち、
卒業後、進学者719人。正規の職員など1371人。




結婚していて夫が厚生年金のある会社にいれば、夫は厚生年金、自分が国民年金

シングルで厚生年金なしの国民年金だけだと、現状の支給額は、毎月6万円に満たない額が平均となっています。


65歳になったら支給か始まりますが


厚生年金だと毎月平均14万ちょっと。

これでは足りないということで、さらに大手企業、または個人で、確定拠出年金を毎月かけている人もたくさんいるわけです。

音大卒業生のうち、フリーランスを含め、非正規として働く人は、その多くが女性で、サラリーマンと結婚し、厚生年金をもらってきました。

女性は、正規職員との結婚を前提に制度が設計されている、と言えなくもない金額です。

ピアノの先生は、70代になっても続けられる仕事ですが、体が動かなくなってからは、年金の重要性は増します。国民年金基金という、国民年金の上乗せ制度もあります。

国民年金のなかから家賃を払わなくても良いように自宅を用意、修繕費なども貯めておけば少しは安心です。
しかし、親からの相続で自宅が取得できれば良いですが、自力で不動産購入となると、フリーランスだと住宅ローンを組むのは難しい。結婚して、夫名義でローンを組み住宅購入している講師が多いです。

シングルでピアノ講師を続けたい、婚活すべきか迷っている、というご相談をときどきいただきますが、制度の想定外?と思われる厳しい現状をまず知っておきたいです。


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