音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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インタビュアーとしての修行のはじまり。大学時代にさかのぼります

ライティング個人レッスン受講の先生方とランチしながらいろいろお話ししてネタを拾ってきました。ある先生がおっしゃったんですけれど、私が話を聞きおわったあとに、「そうなんだ~」といって間があるんだけど、その間が安心できていい、と。

たぶん、これは無意識なんだけど、そうなんだ~とか、そうなんですね~とか、いいながら、いま聴いた話、いま聴いた演奏について自分なりに消化して受け止めています。

...

相手の意見が自分と同じかどうかは別として、相手の立場で相手の論理でいくと、なるほど、こういう考えになるだろうな、という聞き方です。

ただ、この「そうなんだ~」というのは、聞いてないときのいいかげんなあいづちでとりあえず言っておけばいいや的にも使える危険な言葉です。

「そうなんだ~」といっている間にどれだけ相手のことを受け止められているのかは、黙っていても、たぶん、バレているというか、伝わってしまうのかなと思います。

ちなみに「大学時代にカウンセリングとか何か勉強されました?」という質問もありましたのでお答えしますと、

まず大学時代、ほとんどカウンセラー状態でいろんな友達の悩み相談をやっていました。たくさん聞いて、最後にちょっとだけ励ますという感じで。だんだん別れ話とかの相談が増えて、下宿していたころ夜になると先輩や後輩から電話がバンバンかかってきて大変だったなぁ。

我ながらヒットだったのは、つきあっている彼にセーターを編むのが流行ったときに、当時つきあっていたうちの夫に私もセーターを下手ながら編んであげたのですけど、「私でもできたんだからさぁ、○ちゃんもできるよ」といったら、みんな「そうだね!」と力強くうなづき、私よりうまいセーターをサクサク仕上げていました。笑

あまりに身の上相談、恋愛相談その他をたくさんやっていたので、これでいいのか心配になり、大学3年のとき前期では臨床心理学を本格的に学んで理論をひととおりやり、後期は少人数のゼミでクライエント中心療法、家族療法、論理療法など当時最先端だったカウンセリング方法の実習をやりました。

論理療法にはイラショナルビリーフというのがあって、このへんの理論がコーチングのリフレーミングとかにも出てきたりとか。「りんごは赤じゃない」を書くときにも、エピソードを臨床心理学の理論を使って組み立てたりしました。

当時ゼミで授業をしてくださっていた臨床心理学の先生に「先生、私は友達の悩み相談をたくさん受けているんですが、結局、何も役にたてないのがつらいんです」と相談したことがあります。先生は「それはすごい、カウンセラーをやっているようなものですね」とほめてくださり、その後、相談を受けることが、負担になっているんじゃないですか」と言ってくれました。

その後、結局、自分がどうにかしてあげたいといくら思っても、自分がどうにかしてあげられることは、わずかで、大半のケースでは、話を聞く以上のことはなにひとつできない、そういうものなのだと、理解してからは、だいぶ楽になりました。

いま思うと、大学時代にたくさん身の上相談をしたことがインタビュアーとしての実習? になっていたのでしょうね。