音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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保科陽子先生セミナーにゲスト出演

2013年1月31日名古屋第一楽器、2月1日横浜ヤマハミュージックアヴェニューにて、保科陽子コーチの思春期コーチングセミナーが行われ、セミナーの最後の30分間にゲスト講師としてお話させていただきました。

保科コーチのお話になっていたのは、「思い込み」の話、そして、適切なボールを投げようよということ。思い込み・・・効でなければいけない、こうあるべきである、という思い込みが、人を動かしもするし、成長もさせるけれど、環境が変わると、ときには人を苦しめる。

これ、アメリカに行って、ホント苦しみましたよ私。アメリカ人のお友達って、お母さん同士でちゃんと段取りつけて、何日の何時からねって前々から決めていた遊びに来る約束を、忘れることがあるんです。これ、実はいろんな日本人家庭が被害? にあっていて、みんな相当ショックを受けていました。今日はだれだれちゃんが来るといってずっとドキドキしながら準備して、すっぽかされるわけですから、実にショックなわけです。でも、アメリカ人って、ほんとにそういう約束を忘れるらしくて、病院などでも前日には「あなた予約してますよ」って予約の電話がかかってくるんです。そうしないと無断キャンセルがすごく多いから。全員がいつもそうではないです。ただ私の住んでいた街では、そういうことがわりとよくありました。

ピアノのレッスンのなかにも、こうでなければという思い込み、みんなそれぞれありますね。私のライフワークに、ひとつ、ピアノレッスンのなかに存在している意味のない思い込みを打破するというのがあるんです。「チェルニーをやらなければ上達できない、ピアノを続ける資格がない」という思い込みの打破をしたくて、「21世紀へのチェルニー」を書いたわけだし、

21世紀ヘのチェルニー 訓練と楽しさと 山本美芽/著

21世紀ヘのチェルニー 訓練と楽しさと 山本美芽/著

「ピアノは何回も弾くことがうまくなれば重要で、そこに聴くことはあまり含まれない」という思い込みを打破したくて「自分の音、聴いてる?」を書いたわけです。
自分の音、聴いてる?: 発想を変えるピアノ・レッスン

自分の音、聴いてる?: 発想を変えるピアノ・レッスン

作曲家の後藤ミカ先生が、ブログで、生徒さんがいきなり私の本を持ってきて、本を読んだら、音が聴けるようになっていて、音が変わったという話を書いてくださいました。これには私のほうもびっくりでしたが。おそらく、ほとんどもう下地はできあがっていて、ひとつだけ、パズルのピースが欠けるように、何かが邪魔していたのが、ふっと私の本がきっかけになって、とれたのでしょうね。


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思い込み、コーチング用語や心理学では「ビリーフ」といいます。そのビリーフの中でも、非論理的で、人間を苦しめるのがイラショナルビリーフというのを、私、大学3年のとき、心理学の先生の少人数のゼミ形式の授業で習いました。イラショナルビリーフ。非論理的な思い込み。根拠のない「やらねば」という思い。ピアノレッスンにまつわるイラショナルビリーフは、本当にたくさんあります。おそくららく、私の場合、ジャズ・フュージョンの世界にどっぷり漬かっていて、さらには英語やアメリカというチャンネルもあり、クラシックのピアノのレッスンにおける固定観念、イラショナルビリーフを発見しやすい立場にあるのでしょう。人間を苦しめる思い込みに気づくことで、みんなが幸せに音楽とかかわれるわけで、そうした思い込みを安心して打破できる材料や視点を、これからも提供していきたいなと、保科コーチのお話を聞きながら考えていました。

最後の30分では、保科コーチの長男くん、次男くん、それぞれピティナ全国大会4回出場、科学コンクール入賞と、素晴らしい成果をあげていらっしゃいますが、実はコーチングを学びはじめた8年前、子育てがうまくいっていなかったということで、どこがうまくいってなくて、それが何をきっかけにどうよくなったわけ? という話しを根掘り葉掘り聞かせていただきました。小さな成功体験を積み重ねながら自己肯定感を育て、失敗が多くても結果が出るまでには長い時間がかかるので、成果をすぐ求めずに挑戦を続ける…書くと短いですが、これ、そうとう大変ですよね。その大変さを、保科コーチとやりとりしながら、リアルに追体験することができ、大変私自身にも勉強になる時間でした。
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インタビューを申し込んでくださった安藤敦子先生と。電話インタビューを終えていましたので、「ようやく会えましたね!!」と喜びあいました。


をはじめ、伊藤みちコーチ、フェイスブックでいつもコメントをくださっていた村松さよみ先生、それからブログで私の本について書いてくださったことでお会いできた新美富由子先生、ほかにも何人もの先生とお会いすることができました。長女がちょうどこの日、10歳の誕生日でしたが、10年間、東海道新幹線には乗る機会がなくて、飛行機はたくさんあったんですけど、おそろしく久しぶりの新幹線に、超盛り上がってしまいました。子どもみたいで恥ずかしいですが・・・

横浜でも、おなじみの先生、そして新しくお会いする先生、びっくりするほどの出会いがありました。

私の本業は物書きですが、やはり、こうして読者の方々にお会いすることで、現場の問題意識を共有することができ、焦点のずれない執筆活動をしていくためには欠かせない時間だなと思いを新たにしました。
名古屋では45名、横浜では36名…ぐらいだったと思いますが、多くの先生にお集まりいただきました。貴重な機会を与えてくださった保科コーチ、ご来場くださった先生方に、改めて感謝です。保科コーチ、大阪奈良千葉群馬も、きっと素晴らしいセミナーをしてくださるでしょう。詳細はこちら