先日、後藤ミカ先生のブログを読んでいたら、ピアノの生徒さんが学校の音楽のペーパーテストで「クレッシェンド」と書いたらバツになってしまった話が書いてありました。
本当はクレッシェンドでもクレシェンドでもいいような気がするんですけどね、でも、教科書のなかでクレッシェンドとクレシェンドの両方があるのも変だから、文部省としては、ひとつに決めているということでしょう。
いま私などは、たいていベートーヴェンとかヴァイオリンとかラヴェルとか、ウに点々をつけてVの綴りは書いていますけれども、教科書では「ベートーベン」に「バイオリン」です。とくにラヴェルとラベルって書いちゃうとなんか、ジャムのラベルみたいで嫌なんですよね。
音楽雑誌などでの書き方が、すべて文部省の表記に統一されてしまうというのも、画一的で寂しいものです。ただ、子ども用の教材には、混乱を避けるために、なるべく教科書と同じ表記に統一してあげるほうが、親切かもしれませんね。
最近出た音楽之友社の「新ジュニア音楽辞典」なども、参考になると思います。人名などは載っていませんが、「クレッシェンド」ではなく、確かに「クレシェンド」になっています。
- 作者: 山下薫子,繁下和雄
- 出版社/メーカー: 音楽之友社
- 発売日: 2011/01/17
- メディア: 単行本
- クリック: 9回
- この商品を含むブログを見る
著者の繁下先生と山下先生は、音楽教育学会で何度かお目にかかりましたが、おふたりとも、すばらしい研究者です。繁下先生は手作り楽器のワークショップなどでお会いしたかな。山下先生は芸大のピアノ科を卒業されたあと音楽教育の研究の道に入り、非常に明晰な頭脳で音楽教育研究をリードされている中堅研究者です。
こちらの本もいちおう持ってます。子ども用の原稿で、念入りに確認するときはこっちを使いますね。
- 作者: 文部科学省
- 出版社/メーカー: 教育芸術社
- 発売日: 2004/06/15
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る