音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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「豚に真珠」な教育投資になっていないか?

きのうのブログの続き。要するに、最近、多少のお金と時間があれば、さまざまなすばらしい機会を大人も子どもも得られるようになり、選択肢がものすごく増えています。こうなると、行かない、やらない、ということも結構な決断になってきて、非常に高度な判断力が求められて頭が痛いところです。

教育に関する投資するしないの決断は、単発なら失敗しても被害(額)はたいしたことはありません。子どもを張り切ってオケに連れて行ったけれど、楽器の名前がぜんぜん覚えられないしつまんなそうだった、とか、その程度なら、チケット代1回ですから、まだいいんです。

しかし、年単位でレッスンに通うとなると、月謝×12ヶ月×続けた年数で、かなりの額になりますし、時間にしても、膨大なものがありますね。

こう考えると、習い事とか塾とか学校って、すごく高い買い物なんです。

もちろん、自分に合ってさえいれば、未来を変えてくれるかけがえのない投資になります。

しかし、合っていなかった場合の時間的・経済的な損失は、はかりしれません。

確かに素晴らしい機会というのは最近多くてほんとうにありがたい。

いっぽうで、豚に真珠ということわざもあります。

娘が最近ことわざを覚えているのですが、「猫に小判」「馬の耳に念仏」など、同じようなことわざがいっぱいあるので、昔から、豚に真珠的な「オーバースペック」を戒める概念は多かったのかな、と考えました。

ただ、時間や費用に関して、どれぐらいなら「ま、失敗してもいいか」と思えるかは、家庭によって違います。

これだけ費やすなら、ある程度のリターンがないと、…といった具合に、プレッシャーのかかる金額ラインというのも、やはり家庭によって違ってきます。

よい先生に習いたければある程度の出費は仕方ないのもわかる。でもそのよい先生のお時間を割いてもらうのに果たして生徒側はふさわしいのか。

その「すばらしい機会」は、もしかしたら、豚に真珠?

ということは、案外誰も言ってくれないので、自分で気をつける、またはぜんぜん利害のない第三者の意見をきくなどして、用心するしかない。

そして、「素晴らしい機会は得たけど、ただそれだけで、特に大きな変化はなかった」という結果になっても、それはそれで良いと思える範囲で、時間や費用をおさめておくのが無難。

逆に、「これはすごい冒険だけど、絶対に意味がある」と確信できれば、大ばくちを打つつもりで、つぎこんで挑戦するのも、ありでしょうね。

なんにしても、結局はハイレベルな見識があればあるほど効率よく良いコースをいける可能性が高そう。ありがたいようだけれど、なんかすごーくシビアでもある世の中になりましたね。