音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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地元の友達、いっぱい作りたい!

アメリカにいる間、ご近所のママ友づくりに、最初はものすごく苦労しました。みんな同じ幼稚園に行くから自然と、というわけにはいかないし、みんな車で出かけるから、外を歩いている親子連れもぜんぜんいない。しかもすでに公園なんかではママ友グループができていて、何をいっているかわからない。とても入っていけませんでした。

何年かがんばっているうちに、コツがわかってきて、最後には、家の近くにアメリカ人のママ友が何人もできました。

音楽の仕事をしている同士、仕事がよく一緒になる同業同士なら友達は簡単にできたのですが、学校や幼稚園に頼らず、何の接点もない「ママ」というだけで友達を地元につくるのって、難しい。

恥ずかしながら私、渡米前は、地元に友達らしい友達がいなかったんです。必要ないと思って、つくろうともしなかった。娘の保育園のお迎えでいつも顔をあわせるお母さんとは仲良くなりましたが、その場だけ。近所の友達というのが、どうやってつくっていいかわからなかったんです。ぜんぜん考え方が違う人たちだったら怖い、というのもありましたし。

でも、アメリカに行って、近所の友達がいるかどうかで、毎日の充実度はぜんぜん変わってくる、大人になってからも、友達はどんどん作るように努力すればできる、そのほうが毎日が楽しい、と気づきました。

おそらく、定年後のお父さんたちで、地元に知り合いがいなくて呆然とする方もいるかもしれませんね。

日本に帰ってから、いろいろな場所に顔を出し、自分でもびっくりするぐらい近所にママ友ができました。まあ顔見知り程度ですが、あたらしく挨拶するようになった人が、10人以上はいます。

地元の友達をつくるために心がけているのは、まず、とにかく家の中から外に出る。1日1回、できれば2回。

なるべく、いろいろな場所に行く。スーパー、図書館、公園、習い事、など。特にどこかに出かけるのでもなく、家のまわりで子供をうろちょろさせて遊ばせるとか、草取りをするとか、何かうろうろしているだけでもいいです。

これまで自分の経験をふりかえって、家の中にいる限り、友達は増えませんでした。一歩でもいいから外に出る。これを自分に課しています。

外に出ていると、他人と顔を合わせるチャンスがあります。そういうときにまずはあいさつ。

そのときの感じで、向こうが話したがっているかそうでもなさそうか、だいたい見当をつけます。

ママ友どうしだったら、「お子さんかわいいですね。何歳ですか?」「おうちは近く?」「離乳食もう食べてる?」等々。そうでもなかったらそれこそお天気の話とか、近所の道路の渋滞状況とか、今の時期だったら花粉の話でも。

それから話が盛り上がればお互いの名前を確認、家の場所を確認。

少し仲良くなったら、携帯のメールアドレスを交換。

アメリカでも日本でも、だいたい流れはこんな感じでした。

なぜか、ぜんぜん考え方が違って怖い人、には会っていません。無意識に、避けているのかな? 自分自身が。

お友達になったご近所のお母さんに、「子供が生まれてから3年になるけれど、そのあいだ子どもの友達がひとりもいなくて、ママ友もひとりもいなかったんです」という人がいました。出かける先は、スーパーと実家だけ。どんなに寂しかったでしょうか。

アメリカ人のお母さんたちは、わりと、友達づくりに慣れているなあ、と思いました。私が住んでいた住宅地では、5年でたいていご近所が全部入れ替わってしまったぐらいで、みんなどんどん良い職場、良い環境を求めて引っ越していくんです。そして引っ越した先で、どんどん友達を作ってエンジョイするんですね。

アメリカでいつも私が困っていたのは、相手の名前を忘れちゃうこと。英語の名前だと、ぜんぜん覚えられないんです。

たいていのアメリカ人は、「ハーイ、ミメ」といって下の名前を必ず覚えて呼んでくれて、「ハーイ・・・えっと」と、相手の名前が思い出せずに青くなる私。そんなときあるお母さんが「ところであなたのファーストネームが思い出せないの、ごめんなさい」といってさくっと尋ねているのを見て「なるほど」と納得。

そんなふうにアメリカで苦労した経験が、いま少し役立っています。