音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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マンション(豪邸)の街、うるわしのニューポート

クルーズ最後の寄港地は、ニューポートでした。
ニューヨークから北へ車で3時間ほど。避暑地として栄えた海辺のリゾートです。

ここは接岸できないので沖合いに停泊、またしてもテンダーで上陸することに。なんだか異様に混んでいて時間がかかりました。

ニューポートには、「マンションズ」といって、すさまじい規模の豪邸が立ち並んでいます。「ブレーカーズ」「ローズクリフ」「マーブルハウス」などなど。豪邸というか、ほとんど宮殿という規模の大邸宅ばかり。

本当は「マーブルハウス」に行こうと考えていましたが、インフォメーションセンターに着くと「今日はワインフェスティバルで閉まっているので見られない」といわれ、急遽ブレーカーズに行くことに変更。

港のそばからは、豪邸エリアへの巡回バスが出ているのですが、これがとんでもない長蛇の列。1時間も並ぶことになり、タクシーも見当たらず…。どうやら土曜日なので、クルーズ客のほかに一般の観光客も多かったみたいで、まあこの日はちょっと大変でした。

バスに20分ほどのんびりゆられている間、海に近づくにつれて豪邸が増えていきます。海のすぐそばに、小学校の校庭ぐらいの芝生がどどーんとあって、3階建ての宮殿みたいな建物が建っているわけです。そういえば、昔、まんが「キャンディキャンディ」に出てきたアードレー家みたい。

ブレーカーズはイタリアの宮殿を模して作られたそうで、確かにイタリアで見たそうした建物とそっくりでした。家族全員が、それぞれ自分のお風呂を持っているという間取りです。子供にはひとりずつ女中がついて、その子専用のお風呂に入っていたんですね。

厨房はまるで、ちっちゃな小学校の給食室。機械がなくて、オーブンも全部ストーブ式です。

女主人のクローゼットというのものぞいてきました。なんだか棚がぎっしり。1日7−8回は着替えていたとか。美しくしていることが仕事だったんだそうです。

ヨーロッパで宮殿をあちこち見たときは、「まあ昔の王様ってほんとにいばっていたのねえ」と思いましたけど、今回は「19世紀のアメリカのお金持ちって、貴族と同じだったんだな」としみじみ思いました。いや、アメリカに限らず、19世紀のブルジョアというのは、ヨーロッパでもそうだったのかも。

貴族だけがおいしい思いをしていることに対して民衆が怒って、革命が終わって、自由の国になって、それで結局、またこういうベルサイユ宮殿みたいなのを個人で作っちゃうお金持ちたちが出てきて。ああ、こういうとてつもない貧富の差を見て、社会主義革命が起こったのかなあ…。

ブレーカーズのあとには、海沿いの崖の道を散策し、もうひとつの豪邸ローズクリフを建物の外から見てきました。ここはベルサイユのプチトリアノンをまねした建物で、映画「トゥルーライズ」に使われています。「トゥルーライズ」にはマイアミからキーウエストに行く7マイルブリッジも出てきていたし、あの映画に出てきた場所に2つとも行ったのかと思うと不思議な気持ちになりました。