子どもたちのプールにおつきあいして、プールに入るのはここ数年、アメリカに来てからは毎年のことでした。でも、私はコンタクトレンズをつけているし、子どもたちと一緒だとそっちの安全確認が仕事になるので自分は泳がないで水の中に入っているだけでした。
しかし先週、ひっさしぶりにひとりで泳ぎました。
フィットネスには託児があるので、そこに息子を預けて、ちゃんとコンタクトレンズもはずして。
おそらく、大学のとき体育の水泳の時間で泳いで以来なので、20年ぶりですね。
平日の午前中だったので、プールにいたのは大人だけ。
室内プールだと音がわんわんと反響してうるさいですけれど、屋外のプールで子どもがいなくて、大人が2−3人だったので、それはもう静かでした。
自分が水に入るときのぱちゃっという音とか、道路のほうから聞こえてくる車のエンジン音ぐらい。
水にもぐると、外の世界の音から遮断されて、ぼこぼこという水の音だけが聞こえます。
顔をつけて浮かんでみました。
完全なる無重力状態? とでもいうのでしょうか。どこにも体に力を入れないでだらんとしている究極のリラックス状態になれました。
クロールをしてみようとしたら、息が苦しくて息継ぎまでもちません。
肺活量が落ちているんでしょう。
しょうがないので平泳ぎとかウォーキングをしました。
時々もぐったり、背泳ぎしたり、浮いたり、歩いたりしながら、あっという間に1時間たってしまいました。
実は「今日はぜったいプールに入ってやる」と決めたのは、その日の朝、起きたらぎっくり腰じゃないかというぐらい腰が痛かったから。プールから出たら、普通に歩けるぐらい腰の痛みがとれていました。
ピアニストの中村紘子さんや小原孝さんが水泳をされているとインタビューなどでよくお話になっています。確かに、ピアノを弾く人には、水泳はいいだろうなと思いました。
全身運動で体がほぐれるのはもちろんですが、水の中には余計な音がない。水の音は自然の音ですから、どんなに繊細な感性のピアニストでも、神経が疲れているときでも、水の音を聞いていて苦痛に感じることはないのではないでしょうか。
そして、ひごろ、ピアニストは目、耳、指先の触覚、それからレッスンをする場合はのど(口)だけを酷使しているけれど、水の中では全身の皮膚を水からすごく刺激されて、全身の触覚が活性化されるし、目と耳と頭は休まるし、誰とも話をしなくてもいい。
日ごろの仕事でバランスを崩している頭と体のコンディションを元に戻すための活動として、水泳ってすごくいいものなんだなあと痛感しました。
体重を減らすのにも効きそうだし!!
私が住むサクラメントでは、だいぶ気温が下がってきて、そろそろプールの季節は終わりなのですが、機会をみつけて少しでもまた泳ごうと思います。