音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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今でも刺激的な「スリラー」

マイケル・ジャクソンの訃報は、ちょうどアラスカクルーズに行く前に知りました。その後、クルーズ中にテレビのニュースを見ると、もうマイケル・ジャクソン一色。ワイドショー的な「Extra」じゃなくて、ニュースで、というところに驚きました。もうとにかく、朝から晩まで、葬儀の日の追悼コンサートやら死因やら、遺産のゆくえに、サンタバーバラネバーランド前からの中継など、テレビはずーっとマイケルの話ばっかり。改めて、マイケルはスターの中のスターであり、アメリカ人の生活の一部だったんだなと知りました。

ゴシップやニュースよりも、もっとマイケルの作品を見直したいなーと思っていたところ、ケーブルテレビのオンデマンドに、新作映画と並んでマイケル・ジャクソンのコーナーができ、彼のプロモーションビデオがヒット曲ごとにいつでも見られるようになっていました。

それでなつかしの「スリラー」やを見はじめたら、歌も濃くもアレンジも、ダンスも、そして映画レベルにこだわった映像のすごさも、すばらしくて、何度も何度も見ています。映画仕立てで、クルクルクルっと猛スピードで回転するマイケルに、釘付け。ゾンビが踊るダンスが凄いという、不思議な痛快さ。もう、理屈ぬきに楽しくて、わくわくしてきますね。

何度も聴いていると、スリラーと歌う箇所の旋律が、下降して来るわけなんですが、あのコード進行が妙にドラマチックで、オペラ座の怪人のテーマにちょっと似ているような気がするような、していないような、おっと、プロモーショビデオでも、一部でパイプオルガンの音を使っていますね。

曲を聴きながらメロディを分析していくと、すごくシンプルに数少ないモチーフをもとにメロディができていて、だからすぐに覚えられて、でも最後までワクワク感を途切れさせないようになっています。やはりシンプルで強烈な印象を作る、これがポップっていうことなんでしょうか。

一糸乱れぬ動きで、すちゃっすちゃっとステップを踏み、無機的でダイナミックな動きで、ずんずん迫ってくるゾンビ軍団には、ある種芸術的なすごみを感じます。

他にもケーブルテレビで聴けるだけ彼のヒット曲を聴いているのですが、何かベースラインで80年代のスクェアの知っている曲とまったく同じものがあって、なるほどねー、当時はそんなふうに、あちこちに影響があったんだろうなーなど想像したり、発見しながら見ています。

ユーチューブで「スリラー」のプロモーションビデオが見られます。
http://www.youtube.com/watch?v=AtyJbIOZjS8