音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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ポール・ブラウン&ユージ・グルーヴ@サクラメントラディソンホテル

ちょっと報告が遅くなりましたが、10月7日に毎月恒例のサクラメントスムースジャズのコンサートに行ってきました。

今回来てくれたアーティストは、ボニー・ジェームスのプロデューサーとしても知られるギタリスト、ポール・ブラウン。そして、若手で最近めきめきと人気上昇中のサックス奏者、ユージ・グルーヴです。

ポール・ブラウンの演奏は、シブくてかっこよく、上品。あんまりガンガン弾きまくるというのはなく、ポロポロポローン、きゅ〜ん、といったシンプルなプレイ。それが妙にぐっと来る、そんなタイプのギタリストです。リー・リトナーラリー・カールトン…といってもふたりそれぞれ個性は違いますけど、でも、ポール・ブラウンは彼らのあとを受け継いでいくギタリストだなあと確信。これから末永く聴いていきたいものです。あっそうそう、1-2曲ポールが歌ってくれたんですけど、またこれがいい声でびっくり。

前回のボニー・ジェームスのときよりも、お客さんに白人がすごく多かった
です。コンサート自体、ボニーのときよりファンキー度低め、上品度アップ(といっても別に前回が下品だったとか、そういうわけじゃないんですが)、それに比例しているんでしょうか。

後半に登場したユージ・グルーヴは、もんのすごいキレとパワーがあるサックスを吹く人でした。客席乱入で吹いてくれたとき、目の前で見ることができましたが、まだすごく若いですね。30才前後?? あのエネルギーをすごく制御していて、スムースで心地よい曲を心地よく聴かせるために惜しげなく使っているところが素晴らしい。

演奏してくれた曲は「あれっ、これ、知ってる知ってる」というものが多くて、うーむ、彼の曲はラジオですごく流れていたんだなぁと改めて発見しました。渋く淡々としていたポールのステージとは違って、ユージ・グルーヴのほうは手拍子を取って立って踊りながら聴くような雰囲気でした。

日本にいたときは、ポール・ブラウンもユージ・グルーヴも名前を聞いたことがあるぐらいでぜんぜん詳しく知りませんでしたが、いやあ、曲はいいし演奏は素晴らしいし、それぞれぱっと聴いただけで「あーこの人」とわかる個性があるし、実にいいアーティストでした。

White Sands
White Sands

このポールのアルバム、2曲目がラジオで流れたヒット曲でおすすめです。まさにジャケット写真のイメージどおり、真っ青な空と海を眺めながらビーチで寝そべっている気分が、しぶ〜く味わい深く展開されています。参加アーティストが壮観で、サックスのボニー・ジェイムス、トランペットのリック・ブラウン、キーボードのジェフ・ローバー、サックスのユージ・グルーヴ、そして鍵盤の大御所デビッド・ベノワ。さらにはなんと、ヴォーカルでアル・ジャロウとか、ボビー・コールドウェルうーん豪華。でも、あまりゲストが目立ってなくて、サウンドに溶け込んじゃっているんですね。これがまた見事な手腕といったところでしょう。