ピロー・トーク
ピーセズ・オブ・ア・ドリーム, ピーセス・オブ・ア・ドリーム
それ以前からも流れていた曲でありながら、12月のクリスマスシーズンになってから、スムースジャズのFMでさらにヘビーローテーションになっているのが、このアルバム。ピーセズ・オブ・ザ・ドリームの"FORWARD EMOTION" です。
まさにこのジャケット写真のイメージぴったりで、ホリデーシーズンに洗練されたインテリアのリビングで、ワインなんか飲みながら聴きたい気分!! R&Bテイストとスムースジャズの見事なブレンドがなせる業といえましょう。クリスマスに聴きたい音楽といえば第九にメサイアにいろいろありますが、今年のスムースジャズから選ぶならば、絶対これしかない!
ピーセズ・オブ・ア・ドリームっていっても、日本では一部のファン以外にはさほど知られていないかもしれません。ピアニストのジェームス・ロイドとドラマーのカーティス・ハーモンの2人組グループで、30周年になるんですね。一度だけ来日したときのライブを見たことがありますが、その後ぜんぜん情報を聞かずにいました。しかしアメリカに来てみたら、がんがんFMでかかってる! アルバムを買ってみてそのクオリティに「これなら売れるわ」と納得。
彼らのサウンドは打ち込みっぽさがなくて、人力ならではの緻密で味わい深いプレイに満ちて…と思いつつアルバムを見たら、この"FORWARD EMOTION"のベースラインはプログラミングって書いてあるんですよ。ええ〜!? 信じられない。私の耳が悪いのかしら!?
…でもアルバムのほかの曲もプログラミングがすっごく多いんですね。曲ごとに、ギターやサックスやヴォーカルはちゃんと演奏家を呼んでいるんだけれど、ベースは呼んでいない! 曲によってはドラムも打ち込みだったりして、プログラミング度が高いようなんです。そうか、ジェームスはピアノで、カーティスはドラムだから、ハーモニー系とリズム系とそれぞれカバーできるわけ。おっそろしく凝ったハイクオリティなプログラミングで大半のパートを作っちゃう職人系の人たちなんだ、と納得。
ちなみにこのアルバムが出ている「ヘッズアップ」レーベル、イエロージャケッツやマイクスターンなど、スムースジャズやフュージョンの人がごっそり所属しています。以下アドレスはレーベルの新作インタビュー。アルバム全曲視聴できます! こんなふうに太っ腹に手軽に視聴させてくれるサイトが増えると、音楽ライターとしてはあんまりくどくどサウンドについて描写する必要がないですね。