音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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今ふりかえる衝撃の初バレエレッスン

 バレエの先生は、私とそれほど変わらない年齢の女性で、もう結構なベテランなのか、とても教え方が上手で、ぴしっとした威厳のある人でした。

 初めて1時間半の体験レッスンに参加して、一番おどろいたのは、そのハードさでした。汗がだらだら流れ、息が切れて、座り込んでしまおうかと思うほどです。
 まず、30分ほどストレッチ。体育の時間にも昔さんざんやりましたが、もう限界、いたたたた〜となるまでしっかり伸ばし、しかもしばらくその状態をキープするので、痛いわ疲れるわで大変です。長い間のパソコン生活がたたったのか、背中がまな板のように固まっていて、うしろに反らずに愕然とします。でも、きゅーっと筋が伸びていく感じが気持ちいい!

 続いてバーレッスン。足を180度に開く「1番」ポジション。ちゃんと立とうとすると、おしりのあたりがフラフラして、ひっくり返りそうです。2番、4番、そして5番と、ポジションが進むにつれ立つのが難しくなり、5番はほとんど玉砕・・・。汗がダラダラ流れてきます。タオルとお水を持ってこなかったことを後悔。
 音楽は、クラシックの曲をアレンジしたもので、ピアノソロを聴きながらそれにあわせて動きます。うわ、音楽にあわせながらだと、苦しくても自然と体が動くわぁ〜。その日の私はジャージ姿でしたが、他の生徒さんたちはきれいな色のレオタードに、ひらひらしたシフォンスカート姿。動くたびにひらひらっとスカートが上下します。すてきっ!!! こういう可愛いの大好き!!! なんだか日常とは別世界かも・・・。ジャージ姿のへっぴり腰でよろけながらも、私の頭の中は、ふわ〜っと夢心地になっていました。

 レッスンでは必ず先生自身が踊ってお手本を見せてくださいます。そのふくらはぎに私の目は釘付けになりました。ぷにょっとした部分がまったくない、それこそししゃものような、彫刻にしたいような、筋肉質のすばらしい足。ぴっ、とポーズを決めたときの腕や首筋、背中のラインの美しさ。同じ鏡に映っている自分の姿と比べると、同じ人間とは思えない、いったい何、この差は!!! と、笑いたくなってしまいました。

 最後はセンターといって、スタジオの真ん中で踊ります。トウシューズ
はきかえている人も! 
 先生が最初にやってみせてくださる振り付けがぜんぜん覚えられない!・・・もう、フラフラで何を言われているのか頭に入ってきません。がんばれ、がんばるんだぁあああ〜!! しかしジャンプしたのなんて、久しぶりだなあ。
 自分の情けない姿はあまり目に入らず、周りの人ばかり必死に見ていました。うわ〜30代、40代でも、みんなばりばり踊ってる! すごいすごい。

・・・そしてようやく1時間半のレッスンがようやく終了。

 汗を流して全力で体を動かすのって気持ちいい〜・・・。
 たとえようのないほどスッキリした気分で、私はスタジオをあとにしました。

 絶対はじめようっと!!
 もうすでに私は教室に通うことを決めていました。
 みっともなくても別にいいや、こんなに楽しいのだから! と。