音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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場当たり的採用が招いた教員大量採用時代

けさ日経新聞を見たら、教員採用がいま非常に広き門になり、質の低下が懸念されているという記事が出ていました。

私はおよそ10年前に埼玉県の中学校・音楽の教員採用試験にチャレンジして、1度目は不合格、2度目にして合格。たしか、300人中8人ぐらいという倍率で、ほとんど宝くじの世界、運が良かったとしかいいようがない出来事でした。

大学時代、音楽科でともに学んだ同級生たちは、何度かチャレンジした末に採用試験に合格、いまでも先生をしている人が結構います。でも、あまりの高倍率に嫌気がさして、音楽とは全然関係のない一般企業に行って、その後結婚して退職した人なんかも結構います。

私は配属された養護学校という場所がもうどうしようもなく合わなくて、その頃ライターになりたいとうっかり思ってしまったために公務員をあっさり退職してしまったわけですが、もし倍率が低くて中学校採用になって、吹奏楽部か合唱部かの顧問になんかなってたら、ライターになろうなんて考えもせず、毎日学校で汗を流し、歌声を張り上げ、ピアノを弾きまくっていたのだろうか・・・・。

今から転職として中学校に行くのだったら、きっと採用試験当時よりも、ずっと倍率は楽なのかもしれません。
小学校の音楽専科もいいな。しかし!! 文筆生活でのんびりマイペースで過ごすのに慣れてしまった今、毎日朝8時から原稿を書き始めるのは平気でも、出勤して「みなさ〜ん、おはようございます」と授業するのは、ちょっとかったるい気がします(爆)。

私なんかライターという道をみつけられたから、まあ良かったようなものの、大学時代に国のお金、税金で教師になるための勉強をそれこそみっちりやってきて、それを何も社会に還元するチャンスがないままの人が、いっぱい私の世代にはいるはずです。

それで新卒教師が足りない、ですと? …私のころには、40代、50代の先生が多すぎて、学校が高齢化しちゃって、生徒と遊ぶ若い先生がいなくて困ってたんですけど。そもそも「退職者の分を補充する」のが原則で採用するというのだと、採用人数に世代ごとのばらつきが出てしまうのは当たり前。「もう疲れた、退職金割り増しでもらえるなら早くやめてゆっくりしたい」という先生は、私が知っているだけでも沢山いました。そりゃ疲れますよ、40、50になっちゃ。

でもそういう人たちを辞めやすくする工夫もろくにしないで、今頃になって新卒が足りないとか、政策が場当たり的過ぎ。私のような30代の教員養成大学出身から見れば、ふざけんな、といいたいです。