音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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シンクロナイズドDNA@モーションブルー横浜

 神保彰さんと則竹裕之さんのドラムふたりのユニット、シンクロナイズドDNA。今年の4月に初めて公演があって、それを逃してしまってから、どうしても聴きたくてしょうがなくなり、先週の土曜日! セカンド・ステージからでしたが、なんとか駆けつけることができました。この日は完全満席で立ち見のお客さんもでる盛況ぶり。・・・すごい人気なんですねぇ、このふたり。
 ドラムふたりで何をやるのか・・・ステージには真ん中にドラムセット二台がどどーんと並んでいました(そりゃそうだ)。神保さんが白、則竹さんが黒のセットです。大まかな分類をすると、則竹さんの曲はドラムセット2台だけを使った難易度の高いナンバー・・・いわゆる、カシオペアvsザ・スクェアのDVDに入っていたドラムバトルみたいなものの発展系。神保さんの曲は、トリガーシステムをふんだんに使い、「イマジン」なども含めたポップで歌える感覚のメロディにあわせて、ややリラックスしてノリを楽しむ・・・といったところでしょうか。両タイプの曲がそれぞれ半々のような構成でした。 
 もちろんドラム2台という編成は、かなりにマニアックであり、ドラマーか、ドラム好きか、もしくは神保さんか則竹さんの強烈なファンといった方々がリスナー層になることでしょう・・でもそういう人が思いのほか大勢いるんですねぇ・・・私もその一人なんだけど(笑)。

 則竹さんのテクニカル系ナンバー「ノルウェーの池」という曲があり、このなかでシンバルだけを使ってふたりが会話するような箇所があって、とても素敵でした。シンバルっていろんな音がして、池に石や葉っぱが落ちて、大小のさざなみが生まれるような。それから、アンコールでやった「新橋の嵐」・・・いかにも嵐って感じで、どどどどど〜とすごい勢いで演奏が進み、なんともいえない爽快な迫力がありました。
 ドラムだけの演奏もいいのですが、神保さんのトリガーシステムが入ってシンセの音色が入ると、なんだかほっとする部分もありました。当たり前なんですが、トリガーシステムですからドラムを叩くのと同時に「ぴよ〜」みたいな音が出るわけで、ほんとうにドラムで歌っているのですね。フュージョンの場合、打ち込みした音を流しつつクリックのメトロノームみたいな音を聴きながら演奏することもしばしばあります。でも、このシンクロナイズドDNAでは・・・打ち込みを使っているのかどうか確認してくるのは忘れちゃったんですが、おそらく大部分のシンセ音は神保さんが叩いて出しているわけで。そこから生まれる、独特の気持ちいいグルーヴのようなものを感じました。
 ドラムに関しては、だいぶ前からキックのパターンがどうのこうのといってドラマー的知識を仕入れるのはちょっとお休みして、ドラマーごとの音色やグルーヴ、雰囲気の違いを楽しむことに重点を置いて聴くようにしています。・・・ですので技術的なことはいまいち何が起こっているのか把握しきれない面もありますが、なんといってもふたりがシンクロする場面・・・つまりまったく同じフレーズを叩く場面ですね。こうなると、「あっ」と息をのんでしまいます。   
 ふたりでそろったからってどうしてこんなにひかれるのだろう? 別にひとりでやったって、ふたりでやったって、いいわけなのに。ふたりで違うことをやったっていいのに、なぜわざわざ同じことを? 同じことをやることに、どんな意味が? ・・・等々考えはするのですが、そんな理屈は抜きに、シンクロしてる! という状態は、なぜかものすごい吸引力というか、迫力を持ってるんですね。なんでシンクロしていると、あんなに引力があるんだろうか??

 そして今日・・でよかったのかな? とにかく今日あたりに、シンクロナイズドDNAのおふたりは、来年4月に発売されるDVDの撮影があるんだそうです。先のことですが、いや〜楽しみですね。こういう音楽は、少なくとも私の場合はDVDでよ〜く予習して覚えてからライヴに行ったほうが、もっともっと楽しめますから。