音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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フォー・オブ・ア・カインド<ネタバレあり>

ブルーノート東京のライヴ、3日目のファーストセットを聴いてきました。

これから行かれる方は、ネタバレ的なことも若干書きますので、知りたくない方は読まないでくださいね。

まずはステージ正面、両サイドにNHKのカメラが。おお、そうなんです、テレビで放映されるらしいんですね、この日のライヴ。

そのせいか、とにかく始まってからの2曲というのは、緊張感がすさまじかった…。音と音が、火花を散らすかのような。もちろん、合ってないわけじゃないんですよ。ビシバシ合ってて、決まってる。だけど、何か、執念が見えるようなというか、すさまじいというか。火花と火花が組み合わさって見事なものになっていた、といった感じです。

わたしは、saltさんのグランドピアノのすぐ前の席で聴いたので、全員の表情が手に取るようにわかりました。この4人が、眉をつりあげ気味、または目をかっと見開く、または眉間にしわをよせる、…なんて顔で演奏しているの、初めて見たような気がします。いつも、もっと楽しそうで、リラックスしてる。セッションなんかで、譜面を追っているな、あ、大丈夫かしら、とはらはらするときも、みなさんもっと表情がクールです。いつも、こんなに至近距離で聴いていないから、気づかなかったのかなあ。いや、多分、今日はちょっと特別じゃないかと思う。この緊張感は、クールじゃない。ものすごく熱いんです。

あくまでも推測なんですが、本田さん、塩谷さんのご自分のライヴというのは、基本的に自分の曲をやっていることが多い。ですが、この日のライヴは他人の曲が沢山出てくる。しかしそこで、セッションやお手伝い的なライヴとは、若干違った、もう一歩踏み込んだ演奏を目指そうとしているから、あんなふうに熱く火花が散っていたのではないか。こういう読みって、大当たりか、大ハズレか、どっちかになることが多いので、話半分で読んでいただければと思いますが。

2曲目が終わったところで、MC。ここに来て、はじめてホッとした空気になりました。その後は、それほど緊張感もなくて、こなれてきたかな。それにしても、本田さん、塩谷さんのおふたりが交互にソロをとっていましたが、炸裂してました。ピアノでいうと、超高速で和音の連打を含めたフレーズが続出…とか。

そんなこんなで、和気藹々というより、ものすごい迫力で、とにかく演奏に引き込まれっぱなしのライヴでした。