音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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のんびりお茶タイムの効果(2)

 ここのところ数日、なんだかあわただしくて音楽を聴こうって心境になれなかったんです。でも、この「のんびりお茶」タイムの効果でしょうか、やっと気分が落ち着いて、ヘッドホンでCDをじっくり聴きました。お気に入りのアルバム、ドラマー則竹裕之の「Dreams Can Go」です。うー。やっぱ、則竹さんの音はいいっ。
 じつは最近、ある人に「則竹さんのどういうところがいいんですか?」と聞かれて、言葉に詰まってしまったんですね。そりゃ、どこがって・・・「全部」なんですけど、それじゃ、全然伝わらない。うまい説明の言葉をずっと探していたんです。
 このことについて、今日アルバムを聞き返して「あ、・・・このことだ」って、何かピンと来るものがあったんです。ライドシンバルを細かく優しく速く打つ音は、まるで水が流れるよう。タム(太鼓)が「ダーン!」って響く音の気配は、何かにびっくりしたときの心臓がドキンと音をたてそうな衝撃そのまま。ひとつのリズムパターンを刻んでいるときは、どこまでも続く空、海、風、森・・・、そういうものが感じられます。叩きまくりのときには、全力疾走しているような、速いスピードでまわりの景色が変わっていくような。・・・まだまだ、うまくいえないけど。
 ミュージシャンの持つ音の魅力を言葉で説明しようっていうこと自体が、そもそも不遜というか、無理があるのですが・・・則竹さんのドラムの、たとえばそういうところが、聴いていてひきつけられるし、ホッとするし、音に夢中になってしまう理由なのかな? そう思ったら、なんだか宿題がひとつ片づいたような気持ちになりました。