音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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あえて誤解をおそれず。(2)

そして、昨日。梅雨でうっとうしい天気だし、なにかこうスカッとする曲が聴きたいなと思って、カシオペアの「サンダー・ライブ」を出してきました。これは私が大好きなアルバムの1枚。いまは40代となった野呂さんが、まだ20代はじめのころのライヴ盤です。ドラムの神保彰さんの演奏とともに、ミュージシャンやドラム小僧のみなさんだけに限らず、当時の音楽シーンにものすごい衝撃を与えた・・・といわれています。

 私がはじめて聴いたのはつい4年ほど前ですが、「カシオペアって最初からこんなぶっ飛んでたのね・・・」と、改めてすごさを痛感、ますますファンになったという感じ。とにかく音の勢いがケタ違いで、これ以上にぶっ飛ばしてるアルバムってちょっと思いつかないぐらい・・・なんです。

 その、いつ聴いても「超ゴキゲン」だった「サンダーライブ」が、きのう聴いたら、なんだかいつもと感じが違って聞こえるのです。・・・・これが、もしかして野呂さんが言っていた、ヘタってこと?

 もちろん、演奏はすばらしいんです。だけど、先週聴いたカシオペアの演奏にくらべると、なんだか、もの足りない。たとえば、ギターがメロディーを弾くときの1音1音のニュアンスの違いが、もっと欲しい気がしたのです。

 いまの野呂さんだったら、いろんな小技をきかせて、何気ないちょっとしたフレーズでも、もっと香りたつような演奏になるんじゃないかな、と。そう思いはじめたら、全体的にそういう傾向じゃないか、というふうな気がしてきました。これが、野呂さんがいっていた「若さでゴリ押し」ってことなのかなー。

 ただ、そういった今の野呂さんのプレイが持つ味わいもひとつの良さだし、この若さ全開のプレイにしかない白熱したものも良さだし。どっちもイイと思うんです。ただ、若いときのプレイの「若さ」っていうことが、なんだか音としてわかったような気がしました。