音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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リストに夢中になっていた伯爵夫人たち・・・と私

 風邪が治りません(涙)。
 ティッシュを抱え、痛む喉に水分補給をするため
 アツアツのミルクティーを何度も入れ直して
 常にそばに起きながら、1日テープ起こしをしました。
 
 朝からなんか頭痛とか、肩凝りとか、歯が痛かったり、
 指先がピリピリしていて、やだな〜これって神経痛の症状
 じゃない、と思っていたんです。そしたら案の定、
 夕方になったら顔にヘルペスのブツブツができてました(涙)。
 風邪と過労状態が重なるとたいていこれが出ちゃうんです。
 神経痛はヘルペスの前触れでした。
 もーーー!! なんで私はこんなにすぐにあちこち
 具合悪くなるんだろう・・・。と一瞬くらーい気持ちになりました。
 
 しかしまあ、落ち込んでたってしょうがないじゃん・・・。
 神経痛のときって、弱い頭痛があるのであまり音楽を
 聴いたりする気分じゃなくて、コピーして置いた資料を
 とりあえず読むことにしました。
 
 古今東西の大ピアニストについての本なんですが、ひとつ
 爆笑してしまった箇所があるんです。リストって作曲家、
 ご存じですか? 19世紀、ロマン派の時代の人。
 作曲家であると当時に偉大なピアニストで、
 そしてものすごいショウマンシップを持った超絶技巧の人
 でした。 彼は息も止まるほどハンサムで(笑)
 カッコよかったんだそうです。
 その演奏は華麗にして時には激しく、時には優しく、
 聴く人を夢中にさせました。彼が悪魔のように熱演し、
 しなだれかかった髪をかきあげる姿に、サロンに集まった
 当時の伯爵夫人といった上流階級の婦人たちは失神したり、
 投げたタバコの吸い殻を奪い合ったりと、
 そのミーハー度の過熱ぶりは大変なものだったそうです。
 
  ・・・ここまで読んで、私はこの19世紀の婦人たちの気持ちが
 痛いほどわかりました。なんでかって? ふっふっふ。
 だって、ライブハウスにステキな則竹さん(私のお気に入り
 ドラマーの方です(笑))が出てきて、夢中にさせるような演奏をしてくれる結果、陶酔のあまり私は頭ぐるぐるの
 酸欠状態になっていたわけなんです。
 ま、則竹さんのタバコの吸い殻の奪い合いこそしてませんが、  気持ち的には大差ないことは否定できません(笑)。
  私が19世紀のパリに生まれていたら、たぶんリストの
 追っかけでもやってたんじゃないだろうか(笑)。