音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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斎藤守也さん神楽坂セミナー4月17日

昨年7月からムジカノーヴァの連載をしてくださっている斎藤守也さんが、ピアノ指導者向けのセミナー4月17日に東京・神楽坂の音楽の友ホールでしてくださることになりました。

タイトルは「疲れずに弾き続ける 左手の脱力奏法」。

 

今月のムジカノーヴァ4月号には、連載のエチュード「いとまき」に加えて、セミナーテキストが4ページにわたって掲載されています。こちらの作成のお手伝いをさせていただきましたが、奏法に関する最新の考察を含む非常に濃い内容で、すべてのピアノの先生に聞いて欲しい内容です。

 

私は聞き手とまとめを担当していますが、弾くときの感覚についてはもちろん、全体として守也さんご自身が大変な時間を割いてご自分で言葉にしてくださいました。読むだけでもかなりの気づきがある貴重な記述です。疲れずに弾き続けるには、これまでの日本のピアノ教育では足りないことがあるのです。

 

譜例や手の写真もあります。弾いているときの手の写真も守也さんご自身が撮ってくださいました。インスタグラムで撮り慣れているからかもしれませんが、送られてきた手の写真、あまりにクオリティが高く編集部も私も大変驚きました。

 

会場となる 音楽の友ホールに、初めていらっしゃる方もいるでしょう。神楽坂駅から30秒で、天井高くて音もいいし クオリティは高いです。 ヤマハCFXとベーゼンインペリアルがあるんです。

 

いろいろなコンサートやセミナーが開催されてます。 席は椅子の並べ方によりますが180から200ぐらい入ります。

 

ピアノの先生でない方は、たぶん、友ホールなんてご縁がないし、敷居が高そうに見えるかもしれませんが、 誰がピアノの先生がそうでないかなんて 見てもわかりません。気にせずいらしていただきたいと思います。お話がメインにはなりますが、演奏もたくさんしていただきます。企画会議では、「ファンの方は、ベーゼンインペリアルだときっと喜んでくださるはずなので、インペリアル使用とチラシには書いてください」と私が強く主張しました。

 

ムジカノーヴァ 2019年4月号

ムジカノーヴァ 2019年4月号

 

 

ピアノ学習者、ピアノを弾かないファンの方、どなたでもいらしていただき、自らの演奏スタイルをどのように構築してきたか、守也さんがお話する貴重な時間に耳を傾けられたらと思っています。

 

これは私の個人的な気持ちですが、ピアノの先生方のなかには、ファンの方の盛り上がり系の曲のリアクションを見たことがない方もいらっしゃるはず。「え、ここまでに手拍子!? ここまで盛り上がる⁈」というのは経験しないとわからないんです。ピアノ1台で、そういうことができるなんて。この驚きをもっとピアノの先生たちに知って欲しいんです。ピアノの持つさらなる可能性を先生方に実感していただけるよう、お力を貸していただけるとありがたく思います。

 

レ・フレールみたいに、斎藤守也さんみたいに弾きたいといってレッスンに来る子どもたちは、これから増えていくと私は思っています。それは子どもたちに身近で楽しい、8ビート、16ビート、シャッフル、ブギウギといったポピュラーの基本リズムをピアノだけで弾く、そのスタイルを完成させるスタイルの勉強という側面があるからです。

どうやって弾いたらいいのか、指導したらいいのか、解説担当の私自身もまだ手探りです。解説を書く際には、よくわかってないクラシック女子の代表としてまな板の鯉になるつもりで毎回お話を伺っていて、正直、情けないことがたくさんありましたが、そこは落ち込んでも大抵のことではめげない昭和のクラシック女子ですから。全部材料にして原稿に生かしました。

 

そもそもクラシックもレ・フレールみたいにも弾きたいなんて、欲張り過ぎなのはわかっています。でも、わからない手探りだからといっていては、子どもたちにそっぽを向かれてしまうこともあります。

タイミングを逃さず指導するにはどうしたらいいのか。今更無理? なんていっている場合じゃない。まずは指導者が勉強しないことには話になりません。守也さんのように弾けなくても、子どもたちを途中まで導く、才能を潰さないことはできる。

ただそれにはこれまでの常識では通用しない、改めて知っておきたいことが最低限いくつかあります。

 

4月17日は、それらの第1歩となるセミナーになるはずです。たくさんの方に、ぜひ共有していただきたいと思っています。